富士大(岩手)が広島大に1-4で敗れ、1回戦で姿を消した。開始5分で先制点を許すと、同25分にも失点。同35分、DF本宮周東(2年=明秀学園日立)が反撃のゴールも、広島大の勢いを止めることはできず。MF中村蒼(3年=帝京長岡)にハットトリックを許すなど4失点。9月に行われた総理大臣杯王者として臨んだ今大会だったが、むなしく初戦で散った。

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富士大は大学サッカーの2大タイトルである9月の「総理大臣杯」でサッカー界の歴史に名を刻んだ。強豪校を次々と撃破し初の全国大会優勝。東北勢としても初優勝を果たした。決勝が行われた同10日はDF藪中海皇(かいおう)主将(4年=北海)の誕生日。「最高の誕生日にするよ」。試合前にチームメートからかけられた言葉は現実となり、忘れることができない誕生日プレゼントとなった。

「勝つためのサッカー」に徹した総理大臣杯から、2度目の「全国制覇」に向けイレブンは「自分たちのサッカー」で戦うことを決意。だが、富士大を見る他チームの目は明らかに変化。この日はプレッシャーはなかったというもののイージーなミスを連発、自滅に近い形で大敗を喫した。高鷹雅也監督(49)は「全国制覇」の感触が抜けないまま練習を行っていたことが4失点につながったと振り返ったが、「(自分たちは)過去に惜しい結果があったわけではなく、いきなりの優勝だったからね…」と選手をかばった。

だが、うつむいてばかりはいられない。指揮官は「力を出し続けるのは難しい。全国大会常連校になれるようなチームづくりに努めたい」と前を向いた。藪中主将は「総理大臣杯ではチームメートに支えられたので、選手権では自分が『全国制覇』へとチームを引っ張りたかった」と唇をかみしめたが、「この悔しさも含め、見たことも感じたことも忘れずに戦ってほしい」と後輩にバトンを託した。「全国大会常連校」という目標に向け、富士大の新たな挑戦が始まる。【木村有優】