Jリーグは19日、東京都内で理事会を開催し、シーズンを現行の2月開幕から8月開幕へと移行する「秋春制」を2026~27年シーズンから実施することを承認した。また「残された課題を継続検討していく」ことも決めた。
シーズン移行を行うとどうなる?主な要点をまとめてみた。
★変化すること
(1)6~7月に試合がなくなる
移行後は8月に開幕し、5月末ごろ閉幕する。よって6~7月は試合がなくなる。現行シーズンでも、W杯やアジア杯といった日本代表の大会により、ここ8年で3度、同時期にリーグが中断されている。
(2)中心選手が移籍でシーズン途中に抜けることが減る
8月1週ごろの開幕になることで、サッカーの中心的市場である欧州各国リーグと同じ開幕時期になる。欧州の移籍市場はオフシーズンにあたる6~8月に最も活発になる。現行制度では、この時期は日本ではシーズンまっただ中。そこで中心選手が海外挑戦のために移籍することで、戦力ダウンや戦術の見直しを余儀なくされるクラブもあった。開閉幕のタイミングが欧州そろうことでシーズン途中の流出が激減すると考えられ、Jクラブも1年間を通したチーム作りがしやすくなる。
(3)選手のパフォーマンスが“欧州仕様”に
Jリーグは、選手の走行距離や、高強度(時速20キロ以上のスピード)の走行距離について、1年を通したパフォーマンスデータを算出。月ごとに見ると、欧州5大リーグは8月に開幕してから数値が上がり、5月にかけて低下する「山型」のグラフとなる。大してJリーグは2月に開幕し、8月には20%近く数値が低下。そこから11月にかけて持ち直す「谷型」となる。暑い夏の期間にコンディションを落とさないよう“耐える”様式から、状態を上げていく形に変えていける可能性が高まる。
★変わらないもの
(1)冬の試合
・現行シーズン:2月3週ごろ開幕し、12月1週ごろ閉幕
・移行後の案:8月1週ごろ開幕し、12月2週~2月3週までウインターブレーク(中断期間)、再開して5月末ごろ閉幕
比較すると、現行シーズンに対して移行後は12月に1週多く試合を行うものの、そこから2月3週まで試合がない点は同じ。
(2)8月の試合
シーズン移行後も、8月1週から試合は行われる。ホーム&アウェーのリーグ戦で全日程を消化すること、各国代表が活動する国際Aマッチ期間が6月に設定されていることから閉幕を5月末までにする必要があることなどから、開幕をこれ以上遅くすることは現実的ではない。ただJリーグの樋口順也フットボール本部長によると、シーズンが続いた中で8月を迎えるよりも、プレシーズンキャンプで準備をした上でスタートとして迎える8月であればパフォーマンスもいい方向に変わるという選手やクラブ強化部側の声が多いという。