セレッソ大阪が保有権を持つ24年パリ・オリンピック(五輪)世代のMF西川潤(21)が来季、J2いわきFCへ期限付き移籍することが30日、分かった。近日中に正式発表される。同選手は22、23年とサガン鳥栖へ期限付き移籍していた。

川崎市生まれの西川は桐光学園(神奈川)を経て、20年にC大阪とプロ契約を結んだ。FWも兼務できる得点感覚に秀でた、超高校級の左利きアタッカーで、当時はスペインの名門バルセロナから獲得を打診されるなど話題も呼んだ。

一方でC大阪では出場機会が限られたことで、この2年間は鳥栖へ期限付き移籍し、22年は14試合1得点、23年は21試合無得点と一定のプレータイムを獲得していた。

今オフはC大阪への復帰も検討されたが、引き続いて出場機会が限られることが予想され、初めてカテゴリーは1つ下がるものの、J1昇格を目指すいわきと交渉していた。

複数のクラブ関係者によると、鳥栖でハードワークを学び、いわきでは同クラブが目指すフィジカルの強化を図ることで、西川にはさらに成長してほしい思いがあるという。

今月15日、大阪で取材に応じた西川は「(パリ五輪へは)オフシーズンも大切なので、いい準備をしたい」と意気込んでいた。

福島・いわき市に本拠地を置くいわきは、22年に初昇格したJ3でいきなり優勝し、23年は18位。J1昇格に必要なJ1クラブライセンスもリーグから交付されている。今オフは、神村学園(鹿児島)からC大阪入団1年目だったMF大迫塁(19)の期限付き移籍での獲得も実現させている。

◆西川潤(にしかわ・じゅん)2002年(平14)2月21日、神奈川・川崎市生まれ。横浜ジュニアユースから桐光学園へ。高校3年時は特別指定でC大阪でプレーし、20年プロ契約。22年から鳥栖へ期限付き移籍。J1通算66試合2得点。各年代別代表では、18年U-16アジア選手権の決勝タジキスタン戦で決勝点を挙げるなど、MVPに輝いて日本の優勝に貢献。19年のU-20W杯には17歳ながら飛び級で選出され、同年のU-17W杯は4試合2得点2アシストと活躍。パリ五輪を目指すU-21、22代表にも選出されてきた。180センチ、70キロ。