全国高校サッカー選手権決勝が8日、東京・国立競技場で行われる。4度目の優勝を狙う青森山田と、初の決勝進出を果たした近江(滋賀)との対戦。高さは青森山田に分があり、身長190センチのDF小泉佳絃(3年)が今大会3得点と空中戦の強さを誇る。対する琵琶湖の海賊軍団の近江は、青森山田を「ラスボス」と設定。打ち合い上等の構えで真っ向勝負を挑む。

準決勝の先発の平均身長は青森山田が176・63センチ、近江が173・27センチ。高さでは青森山田に分がある。今大会は4試合2失点と堅守が際立つが、ロングスローを含めたセットプレーは伝統的な武器。決勝前日の練習で190センチのDF小泉は「セットプレーが大きなチャンスだと思っている。自分がヘディングをたたき込みたい」と空中戦で制する意欲を見せた。

準々決勝の昌平(埼玉)戦では直接FKから足で2得点。準決勝の市船橋戦は左CKから頭で合わせた。決勝で2得点を挙げれば、得点ランク1位の市船橋FW郡司璃来の5得点に並び、19大会ぶりの「DF得点王」も見えてくる。もっとも本人は謙虚だ。MF松木玖生(20=現東京)を擁した21年度の優勝メンバーのDF丸山大和(現東海大)の名を挙げ「大和さんが4得点なので、そこに追いつけるように頑張りたい。チームを勝たせられればいい」と話した。

4人きょうだいの末っ子で兄1人、姉2人。両親が「かがむ姿勢では身長が伸びない」と天井の高い家を建て、自宅は一番低い部分でドアの2メートル20センチ。バレーボールに励んでいた長姉が、天井からボールをつるしてスパイク練習をしており、小泉も小学時代からそのボールにヘディングで触る練習を繰り返していた。「家ではジャンプし放題。そのおかげで身長が伸びたのかな」と笑う。

前回大会は、初先発した準々決勝で神村学園(鹿児島)に敗れ5大会連続の決勝進出を逃した。1年前の悔しさを歓喜に変える決意は強い。【岩田千代巳】

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