昨季J1初優勝を果たしたヴィッセル神戸は10日に始動し、神戸市内のいぶきの森球技場で初練習を行った。

今季の続投が正式に発表されていなかった吉田孝行監督(46)は、契約を更新。「編成の部分で、1つのポジションに2人以上。それじゃないと、いいトレーニングも紅白戦もできないし、欲しいと(希望した)。メンバーはそろったと思う」とクラブと考えを共有し、引き続き指揮を執ることが決まった。

この日は、ミーティングからスタート。室内でウオーミングアップをした後に、グラウンドではパス&コントロールのメニューなどをこなし、最後にランニングメニューで締めた。

指揮官は「対戦する相手の見方は変わってくると思うし、自分たちに立ち向かってくるチームは多いと思うが、自分たちとしては王者だからどうこうではなく、常に謙虚に試合に臨むことが大事」と話した。

今後は、練習場でコンディション作りをした後、1月下旬からのキャンプで戦術面の落とし込みを行う予定となっている。

セルティック(スコットランド)からの完全移籍が前日に発表された元日本代表MF井手口陽介(27)も初日から姿を見せた。取材に応じた井手口は「まずはしっかり自分の持ち味を出せるようにしていかないといけない。それにプラスして、チームの戦術を理解してプレーしていけたらいい」と新天地でのフィットを誓った。

この日発表された選手一覧に名前のなかったMF斉藤未月(25)とFWリンコン(23)については、千布勇気社長(38)が「(相手クラブと)話をしている状況」とコメント。昨年8月に大けがを負ってリハビリ中の斉藤については、神戸が復帰までをサポートすべく、期限付き移籍元の湘南ベルマーレに複数年契約での完全移籍オファーを提示し、交渉してきた。

千布社長は「まだ話が続いているということ。(完全移籍という)我々の意向は一貫して続いているが、保有権は相手にあるもので、決着はまだついていない」と話し、継続交渉中であることを明かした。