セレッソ大阪が移籍金2億円(推定)で獲得したブラジル人、FWヴィトール・ブエノ(29)が、24日のJ1開幕FC東京戦(ヨドコウ)でデビュー弾を狙う。

ブラジルの名門アトレチコ・パラナエンセから高額移籍金を支払い、得点力不足に悩むC大阪が獲得した待望のアタッカー。1月下旬の合流から急ピッチで仕上げており、開幕戦は途中出場の可能性が高い。

20日の練習後、取材に応じた背番号55は「現状のコンディションは100%に近く、開幕へいい準備ができている。得点するためにC大阪に来たし、貢献するには自分がピッチに立つしかない」と、穏やかな表情ながら強い意思を示す。

前所属ではシステム3-4-2-1の2列目で、主にトップ下、右シャドーの位置を担った。185センチの長身から放つ迫力あるミドルシュート、FKが武器だが、両足の柔らかいボールタッチから正確なパスも出せる。C大阪ではインサイドハーフでMF香川、奥埜らと先発を争う。

初めての来日、初めてのJリーグ挑戦となるが、日本とは深い縁があった。

3年前に結婚した夫人は、3歳から8歳まで滋賀・長浜市で育ったという日系4世で「マユミ」の名を持つ。夫人は今月中旬に遅れて日本に到着し、ようやく2人の生活を取り戻した。

「日本の文化に触れられるのはうれしい。自分たちの人生でも最高の瞬間だと思う」

C大阪には同じブラジル人のFWレオ・セアラ(29)やMFカピシャーバ(27)、MFルーカス・フェルナンデス(29)がおり、サポート役のブルーノ・クアドロス・コーチ(47)を加えれば同郷が5人。ピッチ内外の不安はまったくない。

C大阪の悲願のリーグ優勝に向け、小菊昭雄監督(48)は「ブエノは今、かなり調子を上げている。(開幕へ)十分いけるだけのパフォーマンスをしている」と期待している。

◆ヴィトール・ブエノ 1994年9月5日、ブラジル生まれ。母国ボタフォゴ、サントス、ウクライナのクラブを経てサンパウロ、22年2月にアトレチコ・パラナエンセへ移籍。プレースキック、ミドル、ロングシュートが得意。185センチ、78キロ、右利き。