J2清水エスパルスFW北川航也(27)が並々ならぬ覚悟でチームを引っ張る。25日のアウェーでのー熊本との開幕戦に備え、23日は静岡市内での非公開練習に参加。冷たい雨が降る中での調整を終えると、自信たっぷりの表情で意気込みを語った。「内容どうこうよりも結果が大事。勝ち点3を取って帰ってきたい」。

今季は主将に就任。下部組織出身選手では20年のDF立田悠悟(25、柏)以来4年ぶり3人目の大役を任された。性格は大の負けず嫌いで「FW気質」。キャプテンはサッカー人生で初だといい、「今まで自由にやるタイプだった」。ゴールを取ることで仲間からの信頼を勝ち取り、地位も築いてきた。その姿勢は変えずに、新たなキャプテン像を作っていく。

苦い経験もぶつける。先発した昨季の開幕戦は前半2分のビッグチャンスを決めきれず、引き分けに終わった。北川は「あそこで決めていれば何かが変わっていた」。その後のチームは開幕7戦未勝利で監督も交代。リーグ序盤の出遅れが響き、J1昇格に届かなかった。今季は1点の重みを胸に秘めてピッチに立つ。

熊本戦は1トップでの先発が濃厚。「結果1つでチームを動かせるポジションにいる」と、自身の役割は分かっているつもりだ。重圧はあるが、責任を負う覚悟もできている。「みんなの人生を背負っていくつもりでプレーしたい。常にゴールは狙っていく」と北川。目指すのは自身5年ぶりの開幕弾。天性のゴールハンターは結果でチームを勝利に導く。【神谷亮磨】

就任2年目の秋葉忠宏監督(48)は開幕戦勝利に自信を見せた。この日は非公開で調整。練習後は「自信を持って送り出せるメンバーを選んだ」と力強く話した。今季はチーム始動から走力を上げるメニューを積極的に取り入れて選手を鍛えてきた。鹿児島キャンプでも厳しいメニューを課してチームを強化。ハードな練習を乗り越えてきた選手の成長ぶりに手応えを感じている。

さらに万全を期す。通常は試合前日に敵地へ移動するが、今回は2日前に現地入り。この日の練習後に熊本に向かった。指揮官は「クラブに無理を言ってお願いをした。このアドバンテージを自分たちから手放さないようにしたい」。試合前日の24日は現地で最終調整するという。昨季は熊本と1勝1敗。簡単に勝てる相手ではないが、秋葉監督は「今季の指標となる試合をして勝ちたい」と勝利だけを見据えた。

○…新戦力も開幕先発する可能性がある。MF松崎快(26)は右サイドハーフでのスタメンが濃厚。秋葉監督が水戸を指揮していた当時の教え子は左足のキックを武器に攻撃にアクセントを加える。松崎は「清水に来た意味を見せなければいけない。ゴールやアシストで貢献したい」と力を込めた。甲府から加入したMF中村亮太朗(26)も先発候補の1人。ゲームメークを得意とするボランチのかじ取りにも期待がかかる。