京都サンガは、3月に尚志高を卒業するMF安斎悠人(18)の開幕デビュー弾で柏レイソルに追いつき、勝ち点1を手にした。安斎は後半44分にピッチに立つと、左サイドで果敢にしかけ相手のファウルを誘発。後半アディショナルタイム4分、自身がファウルを受けて得たフリーキックから、MF原のシュートのこぼれ球に詰め、右足で押し込んだ。

安斎は「こぼれ球を狙う部分は自主練で取り組んできた。最後まで詰めることができて、最後は相手が2人、ブロックに来てましたが、ねじ込んでやろうという気持ちで足を振りました」。高卒新人の開幕デビュー弾は、城彰二、高原直泰ら偉大なストライカーに続く3人目。「メンバーに選んでもらったときから、常にゴールをイメージしていた。(想定以上に)早かったというのあるんですけど、ほっとしてるのが一番です」と話した。

2日前の練習で曹貴裁監督からメンバー入りを告げられた。だが、セットプレーの練習で、安斎が守備側でミスキックした。曹貴裁監督は、すぐさま安斎と2人になり「(メンバーに)選ばれない選手もいる。家族もいる選手もいて、みんな1日1日が勝負。選ばれただけでなく責任を背負ってプレーすべき」とプロ意識を説いたという。指揮官の期待に一発回答で応えて見せた。

曹貴裁監督は、安斎について「1を言うと4、5、6を感じられる選手。タイプは全然違うが、遠藤航と少し似ている」と明かし「大人の世界に入っても物おじせず、何回(ボールを)取られても前に入っていく。あそこで嗅覚を生かして点を取れるのは人にはない能力。今日、彼が自信にしてくれたらうれしいし、チームにとって大切なゴールだった」とたたえた。

◆安斎悠人(あんざい・ゆうと) 2005年(平17)4月25日、福島市生まれ。福島ユナイテッドU-15-尚志高。50メートル5秒9の俊足を生かしたドリブル突破が武器。23年度の全国高校選手権大会は初戦で岡山学芸館に敗退。好きな選手は日本代表MF三笘薫、フランス代表FWエムバペ。176センチ、68キロ、血液型B。

◆新人がJ1開幕戦で初出場初得点 京都の高卒新人の18歳MF安斎悠人(尚志)が25日の柏戦で記録。高卒新人では94年の市原(現千葉)FW城彰二(鹿児島実)、98年の磐田FW高原直泰(清水東)に次いで26年ぶり3人目。大卒新人は96年の名古屋MF望月重良(筑波大)、09年の横浜FW渡辺千真(早大)、20年の横浜FCのMF瀬古樹(明大)が記録している。また、99年のV川崎(現東京V)MF小林慶行は駒大在学中に開幕戦で初出場初ゴール。01年の広島DF田中マルクス闘莉王(渋谷幕張)も記録しているが、当時は登録名トゥーリオでブラジル国籍だった。

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