鹿島アントラーズは、ポポビッチ監督の積極采配が奏功し、セットプレーからのDF植田直通のヘディング弾で追いつきホーム開幕戦で勝ち点1を積み上げた。
鹿島は前半は攻撃が組み立てられずシュート0本。ポポビッチ監督は、後半頭からFW鈴木優磨を投入。先制されてからは、DF関川郁万を下げ、日本代表MF佐野海舟がボランチからセンターバックに回り、MF名古新太郎、MFギレェルメ・パレジ、FW垣田裕暉の攻撃選手を入れる手を打った。
ポポビッチ監督は「あきらめずに、最後まで勝ちを目指して戦う」というメッセージを込めた交代だったことを明かした。佐野のセンターバックについては「今日、上手くいかなかった1つが、最終ラインでボールが動かせず攻撃が停滞したこと。ラッキーなことに（佐野）海舟をセンターバックに入れて、後ろからのボールの流れをテンポアップさせた」と説明した。J2町田ゼルビアで佐野と仕事をし、佐野の特長が分かった上での配置転換だったという。
「前半は相手に狙いが消されていた。選手交代をした後は、ボールもスピーディーに動かせてアイデアも発揮できた。後半はやりたかったことが見せられた。最後まで強度を高く戦えたのはサポーターの声援のおかげ」。劣勢の中で、セットプレーからの1発で勝ち点を積み上げ、強い鹿島の伝統が戻りつつある。【岩田千代巳】
