横浜F・マリノスが初の準決勝進出を果たした。山東(中国)をホームに迎え、退場者を出して10人になりながらFWアンデルソン・ロペスのゴールで1-0と勝利した。2戦合計3-1で勝ち上がり、次は蔚山(韓国)と4月17日(アウェー)と24日(ホーム)に激突する。

マリノスが日本勢最後の砦を守った。初戦のアウェーを2-1と先勝し、1点リードで迎えたホームの第2戦。立ち上がりから右のヤン・マテウス、左のエウベルの突破力を糸口に追加点を狙い攻勢を掛けた。だが山東の高い壁は崩せず、ボールを持ちながら決定的な場面をつくれない。

そうしていると前半30分すぎから流れは山東へ。1トップに190センチの長身FWクリサンを起用。第1戦は負傷もあってベンチに温存されたが、今大会トップの8ゴールを挙げるエースが最前線に立ち、横浜ゴールに圧力をかけてくる。エドゥアルド、上島のセンターバックが懸命にはね返すが、32分にCKからヘディングシュートを打たれる。続けて35分に連続攻撃からペナルティーエリア内からシュートを打たれたが、GKポープ・ウィリアムががっちりキャッチした。

ラウンド16で川崎フロンターレを2戦目のアウェーで4-2と勝利し、2戦合計6-5と制した山東。大柄な選手に加え、小回りの利く選手も配置したパワフルな攻撃力のチームだ。

アディショナルタイムには山東のジョージア代表MFカザイシュビリのドリブル突破を許し、ゴール前中央で上島が倒していまい、ファウル。20メートルの距離から直接FKを与えた。ブラジルから中国に帰化したフェイ・ナンドゥオのシュートをDF永戸が頭でクリア。1点のリードを保ったまま後半に勝負は持ち込まれた。

その後半早々、横浜はピンチに陥った。2分、左サイドで競り合った際に永戸が相手選手の足を踏み付けてしまい、前半に続く2枚目のイエローカードで退場となった。

10人となった横浜は8分、エウベルから山根へ、植中から渡辺泰へチェンジ。負傷したヤン・マテウスに代わり前半43分から出場していた宮市をサイドかA・ロペスとの2トップに添え、システムを4-3-2と変更。山東が一気に前に出てくる中、GKポープ・ウィリアムを中心に耐える時間が続いた。

22分には山東のフェイ・ナンドゥオにフリーでシュートを打たれる決定的な場面があったが、鋭いシュートはゴール右脇のネットへわずかに外れた。

両チームがプライドを懸け。闘い。球際の激しさは増し、ファウルの笛が次々と吹かれた。

我慢した先に待望の追加点が生まれた。後半30分、右サイドに出た縦パスを宮市がキープし、サポートにきた山根へ落とす。山根は逆サイドにいるA・ロペスへ絶妙のクロスボールを送ると、これをエースが左足のボレーシュートでたたき込んだ。2戦合計3-1。10人になっても、横浜は掲げる「アタッキングフットボール」の看板を降ろさなかった。この気概が値千金のゴールにつながった。

後半35分には宮市が抜け出したところを倒された。VARで決定機阻止で山東にもレッドカードが出た。

その後は相手の猛攻を受けたが、全員がゴール前に戻りブロックをつくり、ゴールを死守。横浜が初のアジア4強へと進出。狙う頂点が見えてきた。

【ACL】横浜、退場者出すも初のベスト4進出 アンデルソン・ロペス決勝弾/ライブ速報詳細