北海道コンサドーレ札幌が今季J1初昇格の町田ゼルビアに1-2で敗れて3連敗を喫した。

開幕から4戦未勝利(1分け3敗)で、18年就任のペトロビッチ監督(66)体制で初のJ1最下位に転落した。後半39分、名古屋高から加入のルーキーMF原康介(18)がプロ初ゴールを挙げ、チームに今季初得点をもたらすも、追いつけなかった。

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札幌の今季初勝利は遠かった。スタンドから「攻めろ」のコールが響くも、ボールをキープできず、町田の堅守を崩せなかった。0-1の後半21分には、警戒していたはずのセットプレーから2点目を献上した。前節19位からついに最下位に。ペトロビッチ監督は「敗れたことを非常に残念、悔しく思っている。シーズン初勝利をつかみたい試合だった」と悔やんだ。

またもチームにアクシデントが襲った。先発有力だったMF青木が前日練習中に負傷してメンバーを外れた。開幕から毎試合、直前にケガ人が出て指揮官を悩ませる。どうしても欲しい勝ち点3のために、前日練習のミニゲームでは、主力と控えを混ぜて、先発の情報漏れを避ける手段にも出た。それでも勝てず「決して選手たちのプレーを非難することはできない。彼らはやるべきことやってくれた」。昨季チーム最多12得点のMF浅野を得意なシャドー(1・5列目)で今季初起用もした。策は打ったが、好転しなかった。

待望の1発が生まれたのは、これからの巻き返しへの明るい材料。原がプロ初ゴールを決めた。開幕から3戦ノーゴールだったチームの悪い流れを断ち切った。2点ビハインドになった直後の後半22分に投入された高卒新人は、右足を振り抜いて反撃。大歓声を浴びて「高揚感が今まで経験したことがないものだった」と喜んだ。記念の試合球は名古屋の両親にプレゼントするという。

最下位脱出へ、2週間のJリーグ中断期間でチームを立て直す。同監督は「まだまだ試合の数は十分残っている。決して下を向く必要はないし、慌てる必要はないと思っている」と悲観しない。次節30日アウェー、昨季J1覇者の神戸戦へ原は「僕が決めて勝てれば」と自覚を強めていた。【保坂果那】

〇…国際親善試合(22日マリ戦、25日ウクライナ戦)に臨むU-23日本代表DF馬場はフル出場し、MF原のプロ初得点をアシストした。今季初勝利を挙げてから代表活動への参加を思い描いていたが、果たせず。「(得点が)ゼロよりは1の方がいいけど、ちょっと課題は多いのかなと感じる」と振り返っていた。

〇…プロ3年目MF田中宏が初のJ1リーグ戦先発を果たした。右ウイングバックで起用された。MF青木の負傷によって急きょ舞い込んだ機会だった。前半2分にドリブルで相手のファウルを誘って持ち味は出したが、ボールを奪われる場面もあり、後半12分で交代となった。「準備はしていた。とにかく自分のできるプレーをしようと思っていたので、そこまで心境的に緊張したとかはなかった」と話した。

◆札幌のJ1年少ゴール 02年4月20日鹿島戦でFW新居が記録した、18歳3カ月29日がクラブ歴代最年少。原の町田戦での18歳7カ月13日は歴代2位。3位は08年5月17日名古屋戦でのMF宮沢の18歳10カ月19日、4位は17年8月5日C大阪戦でのFW菅の18歳10カ月26日。