藤枝MYFCが待望の今季初勝利を挙げた。アウェーで山形に1-0で完封勝利。後半にMF榎本啓吾(24)が今季チーム1号となる決勝点を決めて逃げ切った。清水は3-1で千葉に勝利。MF乾貴士(35)が右足で決勝点を挙げ、今季2度目の2連勝を飾った。J3沼津は1-1で宮崎と引き分けた。

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気温5・1度。試合後には雨が雪に変わるなど、冷え込んだ敵地で「ホットな瞬間」は訪れた。0-0で迎えた後半22分。藤枝は右サイドを起点に左へ展開。最後はフリーでパスを受けた途中出場の榎本が、狙い澄ました右足ミドルをゴール右隅に突き刺した。

開幕から5戦目、待ちに待った今季チーム1号だった。榎本は「出場した時からずっと狙っていた。思い切って(足を)振って、入って良かった」と、ゴール裏で待つサポーターの下へ走った。次々と仲間も駆け寄り、須藤大輔監督(46)も両手を突き上げる。全員で喜びを爆発させた。

その後も危なげなく試合を運び、今季2度目の無失点。待望の初勝利を完封で飾った。指揮官は「最後まで戦い抜き、我々の藤枝スタイルを貫き通した選手たちの頑張り。そこに尽きると思う」とたたえた。

開幕から4戦未勝利(1分け3敗)とつまずいたチームの潮目を変える1点、1勝を挙げた。24日の次節はホームで熊本と対戦。榎本は「苦しい思いをしたけど、自分たちの(攻撃的な)サッカーをやり続けて勝てた。もう1段階レベルを上げていきたい」。須藤監督も「ここから開幕だと思っている」と言った。生みの苦しみから解放された藤枝が、逆襲に転じる。