モンテディオ山形がいわきとの「東北ダービー」に臨み、0-0の引き分け。1000人を超える山形サポーターがイレブンを後押ししたが、再三のチャンスをものにできず、痛み分けとなった。それでも、山形は今季初の無失点をマーク。次節ホーム清水戦で連敗脱出を狙う。

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もう二度と悪夢は見ない。昨季は開幕2連勝から、クラブ史上初の8連敗。今季も開幕2連勝で好スタートを切ったが、3日栃木戦(3○1)で渡辺晋監督(50)は「隙をつくると足をすくわれる」と気を引き締め直した。だが、9日横浜FC戦(0●2)から3連敗。「J2優勝」を掲げるチームとして、昨季の二の舞いは絶対に許されない。この日はシュート10本を放ち、CK8本を得るなど、再三チャンスがあったが“1点″が遠かった。指揮官は「仕留めきれなかったところは、トレーニングを重ねて精度を上げていくしかない」と振り返り、「優勝を目指すチームとして、足踏みを長引かせるわけにはいかない」と力を込めた。

だが、明るい兆しも感じられる試合となった。昨季から11試合ぶりのクリーンシート(完封)。無失点ゲームに指揮官は「ゴール前で粘り強く守るのも必要だが、高い位置でボールを奪うことや、その姿勢がゴールから遠ざけたことが無失点につながった1つの要因」と評価した。今季初先発のDF安部崇士(26)は「失点を許せば同じ過ちを繰り返してしまうと思ったので、自分の中ではまずは『無失点でいこう』と決めていた。チームとして大きな収穫になった」と振り返った。

次節は30日、ホームで清水を迎え撃つ。清水とは昨季のプレーオフ準決勝で対戦し、引き分け(1△1)で敗退。その雪辱を果たすためにも絶対に負けられない。悪い流れを白星で断ち切り、「J2優勝」に向けて「ゼンシン」する。【木村有優】

 

いわき 昨季の山形との対戦成績は2戦2敗(0●3、1●3)。この日も試合を通してボールを握られる展開が続いたが、得点を許さず、勝ち点1をマーク。これで、2月24日の開幕戦こそ敗戦(水戸、0●1)したが、以降はルヴァン杯を含め6戦負けなし(3勝3分け)と好調。勝ち点9で7位をキープしている。田村雄三監督(41)は「均衡した試合だったが、お互いがしっかりとプレーできた。連戦最後の試合で勝ち点1を取れたことはプラスに捉えたい」と振り返った。次節は30日、アウェーで秋田との“東北ダービー″に臨む。