仙台は3日、鹿児島・さつま町キャンプ10日目を迎えた。連日の激しいフィジカルトレーニングにもかかわらず、大声でチームを盛り上げるのがMF太田吉彰(27)だ。加入2年目。今季は飛躍の年にしたい理由がある。

 広島との開幕戦の3月5日前後に、第1子が誕生する。娘となる予定で、太田は「守らなければいけない人が増える。命を懸けてサッカーに取り組む」。試合が重なるため出産には立ち会えないが「サッカーに集中してと嫁から言われてます」。離れている妻知佳さんとともに、新しい命のために日々戦っている。

 この日も疲れていても声を張り上げた。磐田時代の先輩FW中山雅史(現J2札幌)の影響からだった。「ゴンさんは盛り上げるところを盛り上げ、一番しっかりしていた」。

 09年7月に磐田を退団し渡欧。イングランド、ドイツ、フランス、ベルギーで計6クラブのテストを受けた。不採用だったが「いい経験だった」。仙台に加入した昨季は21試合に出場も、リーグ戦無得点に終わった。06年に9得点し、07年には日本代表に呼ばれた経緯もあり「こんな選手じゃないと(自分で)思った。半年間(の渡欧)で試合感覚も鈍っていた」。だが今年は違う。「やっぱり違うなというところを見せられる自信がある」と断言した。【三須一紀】