例年より早い8月9日にプレミアリーグの夏季市場が閉幕を迎えたことは、移籍期限を8月末日に定めているブンデスリーガに多くの恩恵を与えそうだ。

 専門誌「スポーツビルト」に対し、「我々にとってリスクよりもチャンスのほうが多い」と話したのは、レーバークーゼンのヨナス・ボルトSDだ。

 同SDはその理由を「例えば、成長著しいレオン・ベイリーの獲得を目指し、イングランドのビッグクラブが1億ユーロ(約128億円)という(断ることができない)金額を支払ってくれるとしよう。でも我々には、代替要員を探す時間がまだ3週間も残されている」と説明している。

 さらにシュツットガルトで強化責任者を務めるミヒャエル・レシュケ氏も「最もアグレッシブで最も資金力のある競争相手が、移籍期限終盤にはすでにいないということになる」と、今回の件を好意的に捉えているようだ。

 また厳密に言うと、8月9日に終了のホイッスルが鳴らされたのはプレミアリーグの“補強”であり、“放出”についてはブンデスリーガ移籍市場と同じ31日まで許可されている。したがって、デュッセルドルフのフリートヘルム・フンケル監督が「レンタル移籍で他クラブに行き、キャリアを充実させたいと考えるタレントを待ちたいね」と語ったように、より多くの出場機会を求めるプレミアリーグの選手を、比較的安価で獲得することも可能になる。

 なお、欧州主要リーグの一つセリエAも、今夏の移籍期限はやや早めの8月18日。それ以降の約2週間で、イングランドやイタリアの思わぬビッグプレーヤーがドイツにやってくる可能性も、十分ありうるのではないだろうか。