ドイツ1部ブンデスリーガのヘルタ・ベルリンに所属する日本代表FW原口元気(26)が、同国2部フォルトゥナ・デュッセルドルフに移籍することが決まった。

 両クラブから23日に発表された。背番号は25、6月30日までの期限付きで移籍する。原口はデュッセルドルフの公式サイトを通じ「まずはここでプレーする期間は半年となりますが、デュッセルドルフでプレーできることをとてもうれしく思います。フォルトゥナの目標達成のためにともに戦えることは光栄ですし、少しでも早くチームになじみ、ピッチ上で力になれればと思います」とコメントした。

 フンケル監督も「ゲンキ・ハラグチのスピードと素晴らしいドリブルは、我々のオフェンス力を高めてくれるはずだ。26歳という年齢ながら日本とドイツで合計300試合以上に出場している経験値は計り知れないほど大きく、後半戦を戦う我々の助けになってくれるに違いない」と歓迎の声を出した。

 ヘルタで3年半を過ごした原口は、今年6月開幕のW杯ロシア大会に向けて、カテゴリーを問わず出場機会の確保を最優先したとみられる。大衆紙ビルトによると、1部のブレーメンからも50万ユーロ(約6800万円)の移籍金を用意して獲得の興味を持たれていたものの、今冬移籍市場の期限(31日午後6時=日本時間2月1日午前2時)まで待つことなく、キャリア初の2部へのリーグ移籍を決断した。

 ヘルタとの契約は今年6月まで残っていたが、昨夏に移籍を模索したことなどを理由にダルダイ監督の構想から外れ、今季は先発わずか2試合にとどまっていた。昨年10月からは8試合連続でベンチ外の不遇を味わい、後半戦が始まっても立場は変わらず。1月に行われた2試合ともにベンチ外だった。ヘルタ公式ツイッターでも、この日の練習を欠席したことが報告されていて移籍の可能性が高まっていた。

 元日に日本での冬季休暇を終えて成田空港から出国した際は「まずはヘルタに戻ります」と発言。その上で新天地を選ぶ可能性について尋ねられ「契約延長してヘルタに残るのか、ほかのクラブを考えるのか。1月いっぱいかけて決めたい」と去就に関する胸中を明かしていた。「とにかく試合に出ることが一番。W杯に向けて一番いい準備ができるような決断をしたい」とも口にしており、出番があるかどうかが移籍の最重要条件だったようだ。

 キッカーによると、原口のもとには14年夏まで所属した古巣のJ1浦和レッズからも獲得の調査が入っていた。ほかにイングランドの2クラブ、ブンデスリーガの1クラブから話が来ていたというが、欧州残留を決断。現在2部の首位を走るチームで、重圧の増してくる昇格争いを経験し、初のW杯へ心身を強くする。