イングランド・プレミアリーグの名門リバプールに来年1月1日付で完全移籍することが決まった日本代表MF南野拓実(24)が30日、英国へ出発した。

2位に勝ち点13差をつけてリーグ首位を独走するビッグクラブへの、いよいよ始まる挑戦に「こっからです」と決意表明。5日のFA杯3回戦エバートン戦での最短デビューを目指し、昨季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)王者に合流する。

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南野が勇躍、夢のプレミアへ飛び立った。既にメルウッド(リバプールの練習施設)入りとの情報も現地で流れていた中、日本の空港にロングコート姿で現れた。笑顔。だが話せない。渡英後に入団会見実施が見込まれるためだ。それでも「行ってきます」「頑張ってきます」と日本メディアに移籍後初の肉声をサービスし、機上の人となった。

オーストリア1部ザルツブルクから24年夏までの4年半契約で完全移籍。関係者によると、今月中旬にオーストリアから一時帰国していた際、リバプールとの契約交渉が最終局面を迎えた。飛行機に飛び乗り、18日に身体検査、19日までに正式サイン。聖地アンフィールドで赤いユニホームに袖を通した。その後、再帰国。なでしこジャパン岩渕やJ1を15年ぶりに制した横浜の喜田主将ら親友との食事で英気を養っていた。

満を持しての出発。デビューは最短で年明け5日のFA杯3回戦、エバートンとの「マージーサイド・ダービー」の可能性がある。当初は2日のリーグ・シェフィールドU戦とされ、クロップ監督も「次節からタクミがベンチに入るかもしれない」と会見で話していたが、期待の高さゆえかフライングだった。リーグ規定に「1月1、2日に契約した選手は第21節(同1、2日)のプレー資格がない」と明記されており、FA杯に合わせて招集された。

契約時、チームはクラブW杯(カタール)に出場していたため練習合流は初となる。サラー、マネ、フィルミノという世界最高峰3トップとの定位置争いへ「勝負は、こっからです」。正真正銘の強豪の一員として-。南野の偉大なチャレンジが始まる。【木下淳】