今季Rマドリードからビリャレアルに期限付き移籍した日本代表MF久保建英(19)がウエスカとの開幕戦に途中出場し、新天地で公式戦デビューを果たした。得点に絡むプレーはなかったが、直接FKのキッカーを務めるなど見せ場も作った。昨季のマジョルカからステップアップし、再び実力を証明する戦いがスタートした。ウエスカのFW岡崎慎司(34)はフル出場し、日本人対決も実現した。

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「イエローサブマリン」の愛称で知られるビリャレアルの黄色いユニホームに身を包み、久保が後半32分からピッチに立った。トップ下ながら左、中央、右と広く動き、積極的にパスを要求した。後半ロスタイムには右サイドでファウルを受け、自らFKのキッカーに。ゴール前に速いボールを送ったが、GKにキャッチされた。試合終了間際にはシュート性の強いボールを放つも、得点にはつながらなかった。

ホームで白星発進とはならず、今季から指揮をとるエメリ監督は「後味が悪い」と落胆した。スペイン紙アスは久保について「慌ててピッチに入り、何度か相手ゴールに迫るも均衡を破ることはできなかった」と、出場時間が短かったことを強調した。

昨季、1年目ながらマジョルカで4ゴール4アシストと頭角を現した。この日はウエスカの寄せが激しく、反則を覚悟してつぶされる場面が目立った。相手にも研究される存在に。ここを打破できるか、真価が問われる。

最大の目標はRマドリード復帰。昨季リーグ5位に入ったビリャレアルで主力級になることが求められる。この日のプレー時間は短かったが、マジョルカでも与えられた時間の中で力を示し、定位置を勝ち取った。今季はプレシーズンから合流し、練習試合にも出場しアピール時間は十分だったが、欧州リーグに出場するビリャレアルはスペイン代表MFモレノら実力者ぞろい。気鋭の19歳がさらに覚醒するにはもってこいの場だ。厳しさを増す競争の中でいかに決定的な仕事をできるか、新たな挑戦が始まった。