イングランドが、ケーン(トットナム)の2ゴールを含む4得点でウクライナに快勝。地元で行われた96年大会以来の準決勝進出を決めた。

圧倒的な力を見せつけた。前半4分に左サイドから中央へドリブルで切れ込んだFWスターリング(マンチェスター・シティー)がゴール前へスルーパス。これをケーンがスライディングしながら右足で押し込んで先制した。

後半1分にはマンチェスター・ユナイテッドのホットラインでチーム2点目。DFショーの左サイドからのFKに、ゴール前のDFマグワイアが頭で合わせた。

同5分にはショーの左クロスをケーンがヘディングでたたきつけ、相手GKの股間を破るチーム3点目。さらに同18分にはMFマウント(チェルシー)の右CKを、途中出場のMFヘンダーソン(リバプール)がタイミング良くヘディングして4点目を奪った。

ボール保持率は51%(ウクライナは対49%)、総走行距離もウクライナと同じ105キロ台。パス成功数もイングランドの570本に対してウクライナが539本と数字だけ見るとそれほど変わらない。だが決勝トーナメント1回戦ドイツ戦で今大会初ゴールを挙げたケーンを筆頭に、桁違いの決定力で大量4得点を挙げた。

マン・オブ・ザ・マッチのケーンは「ストライカーにとって序盤で得点できて、チームを助けられるのは素晴らしいこと。僕のパフォーマンスについていろいろな(批判的な)意見が出ていたが、自分としてはゴールを決めてチームの力になることだけを考えていた。願わくばこのチームを決勝に導きたい」と話した。

加えて今大会5試合で5度目のクリーンシート(無失点)と守備陣も安定しており、盤石の状態で7日のデンマークとの準決勝へ臨む。サウスゲート監督は「欧州選手権で決勝に進んだことのない我々にとって、歴史をつくるチャンス。このチームはそれほどプレッシャーを感じていないと思うし、彼らは新たなチャレンジに意欲を燃やしている」と話した。