ワールドカップ(W杯)アジア最終予選で4得点と日本のカタール大会出場に大きく貢献したゲンクMF伊東純也(29)が、オイペン戦に先発し、1得点1アシストなど3得点に絡む活躍で好調をアピールした。

3月24日のオーストラリア戦で2得点した日本代表のサンジロワーズMF三笘薫も1アシストし、チームはリーグ首位を確定させた。カタールでドイツ、スペインと戦うべく、日本の左右両ウイングは所属チームで着実に個を磨いている。

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W杯アジア最終予選の活動から戻っても“イナズマ純也”は健在だった。日本代表と同じ右MFで先発。前半11分、右サイドでボールを受け、味方とのパス交換でペナルティーエリア内に進入すると、相手に倒されPKを獲得。これをFWオヌアチュが決め、先制に成功した。

2-0で迎えた後半開始直後の43秒。ゲンクは激しいプレスからカウンターへ転じ、MFオイエンの左からのグラウンダークロスに、ファーサイドに走り込んだ伊東が右足で合わせ、電光石火のゴール。今季7得点目を挙げた。後半23分には、伊東の右からのクロスにMFヘイネンが右足で合わせ追加点。アシストも今季13に積み上げ、5-0の大勝に貢献した。

W杯アジア最終予選では3戦を終えた段階で1勝2敗と崖っぷちに立たされた。負けられない戦いで昨年11月のベトナム戦から4戦連発。森保ジャパン発足当初は、ベンチを温めていた男が、絶対的存在へと頭角を現し、チームの危機を救った。オイペン戦での得点もアシストも、日本代表活動で見せた伊東スタイルそのものだった。

W杯を決めた後、出場に安堵(あんど)の表情を浮かべたが、すぐさま「まだ選ばれるとは決まっていない。自チームに帰って結果を出すこと」と切り替えていた。カタールでは優勝経験があるドイツ、スペインと対戦することも決まった。所属チームに戻ってすぐに、有言実行の1得点1アシスト。持ち味の個の攻撃に磨きをかけ、夢舞台で強豪とのガチンコ勝負に挑む準備を着実に進めている。