スペイン・アス紙は28日、同日行われる欧州チャンピオンズリーグ決勝・リバプール-レアル・マドリード戦について「バロンドール対決」との見出しを付け、両チームのエースに焦点を当てた。

バロンドール(フランス・フットボール誌が主催する世界年間最優秀選手)の評価期間はこれまでのカレンダーイヤー(1~12月)から、欧州サッカーシーズンに合わせた8月~翌年7月に変更された。そのため今年11月21日開幕の22年ワールドカップ(W杯)カタール大会の成績は今回のバロンドール選考には含まれない。欧州CL決勝が最新のバロンドール選考の対象試合としては、最後のビッグマッチとなる。

アス紙はRマドリードのフランス代表FWカリム・ベンゼマ(34)とリバプールのエジプト代表FWモハメド・サラー(29)を、10月17日に発表される今季のバロンドールに近い選手と紹介。そして2人の今季パフォーマンスを評価した上で、ベンゼマが最有力だとした。

ベンゼマの今季スペインリーグ成績は32試合27得点12アシストで、初のピチチ賞(リーグ戦の得点王)に輝いた。欧州CL成績は11試合15得点3アシストで得点王の座をほぼ手中に収めている。13-14年シーズンのクリスティアノ・ロナウド(当時Rマドリード)の史上最多記録まであと2ゴールに迫っている。

決勝トーナメントに入ってから圧倒的な存在感を放ち、パリ・サンジェルマン、チェルシー、マンチェスター・シティー相手の6試合で2度のハットトリックを含む10得点を記録した。 またベンゼマはスペインリーグとスペイン・スーパーカップで優勝している。

一方、サラーのプレミアリーグ成績は35試合23得点13アシスト。孫興民(ソン・フンミン)とともに得点王になったのに加え、アシスト王にも輝いた。欧州CL成績は12試合8得点2アシスト。そのうち決勝トーナメントに入ってから決めたのはわずか1点と、あまり目立つ活躍を見せられていない。

サラーはここまでFA杯とイングランド・リーグ杯の2タイトルを獲得した一方、プレミアリーグでは惜しくも優勝を逃した。

シーズンを通じて素晴らしい活躍をしてきた2人。欧州CL決勝が今季最後の試合となるが、同大会を制した方がバロンドール受賞に大きく近づくことになりそうだ。(高橋智行通信員)