スペイン代表のルイス・デ・ラ・フエンテ監督(62)がブラジル戦後、「代表のキャプテンがブーイングを受けているのを聞くと心が痛む」とモラタへのブーイングに苦言を呈した。

スペインは26日、レアル・マドリードの本拠地サンティアゴ・ベルナベウでブラジルと親善試合で対戦し、激しい点の取り合いの末、3-3で引き分けた。試合後、デ・ラ・フエンテ監督が記者会見に出席した。そのもようをスペイン紙アスが伝えている。

デ・ラ・フエンテ監督はまず、終了間際のPKで同点に追いつかれたブラジル戦について、「我々はチームとしてはるかに優れていたので、勝てなかったことは腹立たしい。しかし、トップレベルの試合では些細な点が勝敗を分けることを理解している。このチームがかなり遠くまでいけるという手応えを感じることができたし、我々は大いに強化された」とポジティブに捉えていた。

続いて、センターフォワードを務めたFWモラタがブーイングを受けたことについては、「自国で代表のキャプテン(※この日は祖父が亡くなったロドリゴにキャプテンマークを譲っていた)がブーイングを受けているのを聞くと心が痛む。スペインの選手がブーイングを浴びると、スペイン人として恥ずかしくなるよ。しかしほとんどの人たちがスペインを応援していた。代表チームを応援するように教育するのはみんなの仕事だ。代表ではクラブのことひとまず横に置かなければいけないし、それはメディアの仕事だよ。がみんな一緒になり、その問題を解決できることを願っている」と不満を述べた。

モラタがブーイングを受けた理由に関して同紙は、パフォーマンスの悪さに加え、Rマドリードの下部組織出身にもかかわらず、ライバルのアトレチコ・マドリードに現在所属し、さらに同クラブでプレーするのが夢だと以前発言していたことが原因と考えている。

また、デ・ラ・フエンテ監督はブラジルの1点目で致命的なパスミスをしたGKウナイ・シモンについて、「彼は世界最高のGKの一人だよ。ほとんどすべてのプレーで我々に成功と利益をもたらしてきた。我々は彼のことを全面的にサポートする。彼がPKを2本ストップし、我々を欧州ネーションズリーグ王者に導いてくれたことを覚えている」と擁護した。(高橋智行通信員)