イングランド協会は25日、チェルシーMFエデン・アザール(23)に3試合の出場停止処分を科すと発表した。アザールは23日のイングランドリーグ杯準決勝スウォンジー戦の後半33分に、ゴールラインを割ったボールを返そうとしなかったボールボーイを蹴ったとして退場処分を受けた。同協会は「通常の処分では不十分」としており、アザールの回答期限の29日を待って、正式な処分を決める。

 その一方で、この少年の父親が対戦相手スウォンジーの役員であることや、ツイッターに時間稼ぎを予告していたことなどを英メディアが報じたことで、ボールボーイの「裏の仕事」が物議を醸している。昨季までスウォンジーを率いたリバプールのロジャーズ監督は「彼はクラブを愛している。不幸な事件だ」と擁護したが、アーセナルのベンゲル監督は「ボールボーイは時間稼ぎのためにいるわけではない。ホームの選手でもアウェーの選手でも、すぐにボールを返すのが仕事だ」と正論を語った。

 1試合に複数のボールを使用するJリーグと違い、通常イングランドでは1つ。ボールボーイがボールを戻さなければ試合が再開しない。FAは全クラブに対し、試合に関わる係員が適切な行動を取るよう文書で求め、少年の行為に問題があったと暗に認めた。