日本勢では31年ぶりにボストンマラソンを制した川内優輝(31=埼玉県庁)が19日、来年4月からプロとなる意向を表明した。米国から到着した成田空港で関係者も驚く電撃発言。県庁を退職して「マラソンに人生をささげる」環境をつくり、13年の自己記録2時間8分14秒を更新し、世界での活躍を目指す。

 日本陸連のマラソン強化戦略プロジェクトリーダーを務める瀬古利彦氏(61)は川内の選択を歓迎した。「ウエルカムじゃない? 待っていましたよ。24時間マラソン漬けになって、大迫や設楽悠太を焦らせてほしい」。プロ川内が男子マラソン界の起爆剤となることを期待した。

 東京オリンピックは猛暑の中でのレースとなる。ボストンはスタート時3・3度の寒さ。暑さと寒さで条件は正反対とはいえ、特殊な環境下で力を出すすべは参考になる。また日本陸連は川内へ昨春の男子マラソン・ニュージーランド合宿の参加の打診をしたが、年度の変わり目で仕事が多忙だったため、不参加となった。来春からは日程を合わせやすくなり、川内の気持ちを前面に出す走りを高く評価する瀬古氏は「川内君の力を借りたい。彼が来ると緊張感が出る」と話した。