国際陸連(IAAF)ワールドチャレンジ第2戦「セイコー・ゴールデングランプリ大阪」(日刊スポーツ新聞社共催)が20日、ヤンマースタジアム長居で開催される。国内外のトップアスリートが集結し、白熱の戦いが期待される。

 ニッカンスポーツ・コムでは世界から集結するトップアスリートに挑む日本の6選手を紹介する。第4回は男子100メートルと男子400メートルリレーに出場する山県亮太(25=セイコーホールディングス)。花形種目で「9秒8」と大きな目標を掲げる。

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 口調は控えめながら、山県は言う。「それが出れば日本記録としてもインパクトが出る。インパクトを残すのは選手として大事なこと。うそいつわりなく、そのつもりでやっています」。その掲げた目標は「9秒8」だ。日本歴代2位の10秒00を出した昨年9月の全日本実業団対抗選手権は追い風0・2メートル。もし2・0メートルの追い風が吹いていたら、9秒8台が出ていたという試算もある。自らの成長度+好条件、その2つが重なった時。「手の届くギリギリの範囲だと思う」。日本人初の9秒台は桐生に先を越された。それだけに日本記録9秒98を上回るだけでは満足できない。

 今季は3月のオーストラリアでの競技会では10秒15(追い風1・7メートル)、4月の織田記念国際は10秒17(追い風1・3メートル)。昨春はけがに苦しんだが、今年は順調に調子を上げている。「世界を見据えた時にいつまでも停滞しているわけにはいかない」と話す。狙うは日本人1位ではない。世界選手権王者のガトリン(米国)らを倒しての優勝だ。

 会場のヤンマースタジアム長居は2年前10秒03、昨年10秒00と自己記録を更新した地。再び衝撃を残す大阪としたい。【上田悠太】

 ◆山県亮太(やまがた・りょうた)1992年(平4)6月10日、広島市生まれ。修道中、高から慶大を経て、15年にセイコーホールディングス入社。16年リオ五輪は100メートル準決勝進出、400メートルリレーは銀メダルに貢献。17年日本選手権は6位。今大会の400メートルリレーにはリオ五輪メンバーで組む日本Aチームの第1走者として出場予定。趣味は釣り。177センチ、72キロ。