男子マラソン界の好記録ラッシュが止まらない。服部勇馬(25=トヨタ自動車)が日本歴代8位の2時間7分27秒で優勝した。男子マラソンの日本歴代10傑中、今年だけで4つ目の好記録が誕生した。

 ◇  ◇  ◇

今回の服部は、満点に近い走りだった。どんなペースでもついていけただろう。服部のフォームは跳びはねたりせず、無駄な動きがない。176センチと身長が高く、足が長いために有利だ。35キロからのペースアップではスーッと加速した。5キロを14分40秒で走ったのに、腕を振ったりして、力を入れたように見えない。「え、今の1キロが2分54秒なの?」という感じ。ケニア勢のような走りだった。うまくいけば、大迫(日本記録2時間5分50秒)ぐらいの記録は出るだろう。

大迫、設楽悠、井上、服部の4人は本物の本物になった。この好循環は昨年の福岡国際で大迫が2時間7分19秒を出したことが最も大きい。箱根駅伝でお互いを知る選手たちにとって、手本になった。有力選手が何人もいることでレベルも上がる。日本人の2時間5分台、4分台も見えてきた。(瀬古利彦・日刊スポーツ評論家)