東海大陸上競技部のルーキー喜早駿介(宮城・仙台育英)が、憧れの大迫傑(28=ナイキ)の背中を追う。

同大の両角速監督(53)は、高校駅伝の強豪・佐久長聖(長野)時代に日本のエースを指導。現在、新型コロナウイルスの影響で部としては活動休止中だが、名将のもとで「世界基準」を目指し、1年目から「3大駅伝(出雲、全日本、箱根)すべてに出て区間上位争いをする」とフル稼働を誓う。学生トップランナーに成長し、24年パリ・オリンピック(五輪)をはじめ世界へ羽ばたく。

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父貴大さんが経営する「ヘルム喜早」では制菌加工の布製マスクの製造を始めた。繊維に付着した菌の繁殖を抑え、吸汗速乾の機能でべたつきにくく、洗って繰り返し使えるのが特徴だ。大人用と子ども用を1枚1000円(税抜き)から受注。当初は無地のみだったが、宮城県の村井嘉浩知事が着用する同県PRキャラクター「むすび丸」を描いたマスクにヒントを得た。県から使用許可が下り、希望者にはむすび丸を無料で貼り付け近日販売する。

本業ではイベントの看板、バナー制作に携わることが多いが、コロナ禍で中止が相次ぎ、3月からイベント関連の売り上げがゼロに。「従業員と会社を守るために今ある設備で何かできないか」と考え「工業用ミシンの技術を生かして不足しているマスクを作ろう」となり、メールやSNSを通じ注文を受ける。

貴大さんは陸上経験者で喜早と同じ仙台育英OBだ。3年時に国体1500メートルで4位入賞。順大に進学し箱根路を目指すも故障でかなわなかった。長男太一さんは同大4年で陸上競技部マネジャー。息子2人と先輩後輩関係にある。喜早に向けて「おごることなく謙虚な気持ちで、競技者としてのレベルを上げてほしい。人としての成長も期待しています」と力を込めた。