女子駅伝日本一決定戦のクイーンズ駅伝が28日に行われ、創部25年目の積水化学が悲願の初優勝を飾った。1区9位スタートから、2区で区間賞の卜部蘭からタスキを受け取った3区の佐藤早也伽が区間2位の走りで首位に浮上。そのまま首位を守り、地元宮城県出身のアンカー木村梨七が優勝のゴールテープを切った。

史上4チーム目の3連覇を目指したJP日本郵政グループは4位、東京五輪マラソン8位入賞の一山麻緒のいるワコールは8位でシード権入りを果たした。

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積水化学、クイーンズ駅伝悲願の初優勝 創部25年目 新谷仁美ら快走

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(1) 積水化学

(2) 資生堂 

(3) デンソー 

(4) JP日本郵政グループ

(5) ダイハツ

(6) ヤマダホールディングス

(7) ユニバーサルエンターテインメント

(8) ワコール

※ここまでシード権


初優勝し、積水化学の5区の新谷仁美(右奥)と記念撮影する(左から)1区の森智香子、2区の卜部蘭、3区の佐藤早也伽、4区の弟子丸小春、アンカーの木村梨七(共同)
初優勝し、積水化学の5区の新谷仁美(右奥)と記念撮影する(左から)1区の森智香子、2区の卜部蘭、3区の佐藤早也伽、4区の弟子丸小春、アンカーの木村梨七(共同)
初優勝し、笑顔でポーズをとる積水化学の(左から)1区の森智香子、2区の卜部蘭、3区の佐藤早也伽、4区の弟子丸小春、5区の新谷仁美、アンカーの木村梨七(共同)
初優勝し、笑顔でポーズをとる積水化学の(左から)1区の森智香子、2区の卜部蘭、3区の佐藤早也伽、4区の弟子丸小春、5区の新谷仁美、アンカーの木村梨七(共同)

◆レース経過

1区=7・6キロ(松島町文化観光交流館前~ヤマダデンキテックランド塩釜店前)

◆スタート

午後0時15分、女子日本一の座を懸け号砲が鳴る。28チームが一団でスタート。パナソニック・内藤早紀子らが先頭を引っ張る。

◆2キロ付近

三井住友海上・片貝洋美、エディオン・萩谷楓が相次いで転倒。萩谷は転倒の影響が響いたか集団から遅れる。

◆2.1キロ付近

ユニバーサルエンターテイメント・髙木が転倒

◆3キロすぎ

資生堂・木村友香が先頭集団から抜けだし、トップに立つ。15年ぶりの優勝へ、独走で勢いを作る。

◆5キロすぎ

天満屋、JP日本郵政グループは2位集団のペースについていけず、やや後れを取る。2位集団につけていたヤマダホールディングス・岡本春美、ワコール・安藤友香が集団から抜け出し、資生堂・木村に迫る。1区も終盤戦へ。

◆7キロすぎ

3チームが三つ巴で中継所に突入。ゴール目前、ヤマダホールディングス・岡本がラストスパートを掛けて1位でたすきリレー。2位で資生堂、3位でワコール。「きつかったけど、いつも監督が言ってくれている『1秒がすごく大事』というのが頭の中に浮かんで、自分の出し切れる力を出していいスパートを切ることが出来た」と岡本。

スタートした日本郵政グループの1区・鈴木亜由子(中央)(共同)
スタートした日本郵政グループの1区・鈴木亜由子(中央)(共同)
スタートした日本郵政グループの1区・鈴木亜由子(中央)(共同)
スタートした日本郵政グループの1区・鈴木亜由子(中央)(共同)

2区=3・3キロ(ヤマダデンキテックランド塩釜店前~塩竈市水道部前)

◆2区中継所

ワコール・井手彩乃、ヤマダホールディングス・清水がデットヒート。ヤマダホールディングスが1位でたすきをつなぐ。ワコールとは1秒差。井手、清水ら5人が区間賞。

積水化学・卜部蘭ら2区5人が区間新 クイーンズ駅伝


3区=10・9キロ(塩竈市水道部前~富士化学工業前)

◆1キロすぎ

東京五輪入賞のJP日本郵政グループ・廣中璃梨佳は12位でたすきを受けると、どんどん前方のランナーを捉える。1.5キロ過ぎには順位を四つ上げて8位に。

◆3キロ付近

ワコール・一山麻緒、ヤマダホールディングス・筒井咲帆が先頭を併走。

◆4キロ付近

JP日本郵政グループ・廣中、ユニクロ・吉川侑美を捉えて7位に浮上。積水化学・佐藤早也伽がペースアップ。3位集団を抜け出し先頭を追う。

◆5キロ付近

各チームのエースが集う3区で“廣中劇場”が止まらない。JP日本郵政グループ・廣中が6人抜きの快走で6位に浮上。

◆5キロ付近

積水化学・佐藤がじわじわ距離を詰め、1位集団を捉えて先頭に浮上。地元の宮城県での凱旋レース、快調な走りで2位との差を広げていく。

◆8キロ付近

JP日本郵政グループ・廣中が驚異の走り。5位資生堂・佐藤成葉を捉えると、勢いは止まらず4位にいたワコール・一山、3位デンソー・矢田みくにを抜き去り9人抜き達成。12位から3位に浮上し、トップを猛追する。

◆9キロすぎ

積水化学・佐藤、苦しげな表情を見せるもペースダウンを感じさせない走りで残り1キロへ。JP日本郵政グループ・廣中に距離は縮めさせない。

◆第3中継所

積水化学・佐藤がトップでたすきリレー。4人抜きで奪い取った首位の座を守りきる。2位でJP日本郵政グループ、廣中は10人抜き達成。3位にヤマダホールディングス。

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3区で力走する日本郵政グループの広中璃梨佳(共同)
3区で力走する日本郵政グループの広中璃梨佳(共同)
3区で力走するワコールの一山麻緒(共同)
3区で力走するワコールの一山麻緒(共同)
3区で力走する積水化学の佐藤早也伽(共同)
3区で力走する積水化学の佐藤早也伽(共同)

4区=3・6キロ(富士化学工業前~聖和学園高等学校前)

◆第4中継所

積水化学・弟子丸小春がトップを守り、絶対エースの新谷仁美にたすきをつなぐ。19秒差の2位でデンソー、3位JP日本郵政グループ、4位資生堂とは34秒差。


5区=10・0キロ(聖和学園高等学校前~仙台第二高等学校前)

◆3キロすぎ

1万メートル日本記録保持者、積水化学・新谷はユニホームも髪色も青×青。快調なペースを維持。

◆6キロすぎ

資生堂・五島莉乃が、先頭新谷に引き離されまいと力強い走りを続ける。1位との差は、実況で190メートルほど。

◆5区中継所

積水化学・新谷がトップでたすきリレー。区間記録を41秒更新する快走を見せた。積水化学は悲願の初優勝へ、最終区につないだ。資生堂は2位、五島が新谷を1秒上回る好走を見せ、さらに区間新記録を樹立。3位にデンソー、4位にJP日本郵政グループ、5位にダイハツ。ヤマダホールディングスは順位を落とし6位。


6区=6・795キロ(仙台第二高等学校前~弘進ゴムアスリートパーク仙台)

◆1キロ付近

仙台育英出身のワコール・清水萌が8位に浮上。熾烈な入賞争いを展開する。

◆3キロ付近

積水化学・木村梨七がトップをキープ。木村も仙台育英出身、なじみの土地で好走を続ける。

◆ゴール

積水化学・木村が首位を守りきり、創部25年目で悲願の初優勝を達成した。大会記録を更新する2時間13分03秒。仲間の輪に加わる木村の目には涙が。1区終了時点では9位も、3区からは1度も首位の座を譲ることなく、たすきをつなぎきった。

初優勝を決め、笑顔でゴールする積水化学のアンカー・木村梨七(共同)
初優勝を決め、笑顔でゴールする積水化学のアンカー・木村梨七(共同)
初優勝を決め、笑顔でゴールする積水化学のアンカー・木村梨七(共同)
初優勝を決め、笑顔でゴールする積水化学のアンカー・木村梨七(共同)
ゴール後に迎えられる、初優勝を決めた積水化学のアンカー・木村梨七(共同)
ゴール後に迎えられる、初優勝を決めた積水化学のアンカー・木村梨七(共同)
2位でゴールする資生堂のアンカー・高島由香(共同)
2位でゴールする資生堂のアンカー・高島由香(共同)
3位でゴールするデンソーのアンカー・松田杏奈(共同)
3位でゴールするデンソーのアンカー・松田杏奈(共同)



出場28チーム


チーム名出場回数前回順位予選会
JP日本郵政グループ7年連続7回目1位シード
積水化学13年連続23回目2位シード
豊田自動織機14年連続15回目3位シード
ワコール22年連続29回目4位シード
デンソー18年連続29回目5位シード
ヤマダホールディングス13年連続16回目6位シード
パナソニック22年連続33回目7位シード
九電工11年連続30回目8位シード
資生堂6年連続30回目12位優勝
天満屋30年連続30回目11位2位
第一生命グループ2年ぶり25回目-3位
大塚製薬4年連続9回目14位4位
三井住友海上3年連続27回目13位5位
エディオン4年連続28回目10位6位
日立3年連続25回目17位7位
ダイハツ14年連続31回目9位8位
ユニクロ2年ぶり10回目-9位
ルートインホテルズ4年連続5回目19位10位
しまむら4年ぶり15回目-11位
岩谷産業初出場-12位
スターツ5年連続12回目15位13位
ユニバーサルエンターテインメント15年連続15回目16位14位
ダイソー初出場-15位
京セラ2年ぶり30回目-16位
ニトリ初出場-17位
シスメックス2年連続10回目20位18位
埼玉医科大学グループ初出場-19位
キヤノン7年ぶり6回目-20位