日本記録保持者で東京五輪代表の北口榛花(24=JAL)が3投目に62メートル25を投げ、2年連続3度目の優勝を飾った。

「前回(の初優勝時)は続けることができなかったので、連覇できて良かった」と結果は歓迎したが、記録には不満顔。「調子が良いと思って臨んでいたので、3投目まで60以上がでないとは。残念だな」と振り返った。

雨が降りしきる中での投てきになったが、「雨は好き。なんなら、雨が降ってほしいと思っていた時期もありました」と苦にしなかった。それだけに、4投目以降は60メートルすら超えられない低調さに、納得いかなかった。

世界選手権の参加標準記録(64メートル00)突破はならず、世界選手権(7月、米オレゴン)代表内定とはいかなかったが、すぐに次戦が待つ。13日にはコーチが待つチェコに渡り、14日には大会に出場。さらに「目指してきた1つの試合」と目を輝かせるダイヤモンドリーグの初出場も決まっているという。

舞台は2年後、五輪が開かれるパリ。世界のトップしか出られない最高峰の試合に、テンションが上がる。「日本選手権の緊張と、ダイヤモンドリーグの緊張で、心臓が持たなくなりそうでした!」と声を弾ませた。「満員のスタジアム、楽しみですね」。国内での王者を守り、もう1つの「緊張」の舞台へ進む。