東北陸上界の有望株2人が「3冠」に輝いた。全国高校総体（インターハイ）の男子110メートル障害、400メートル障害王者の山形県・紺野稜真（九里学園3年）が、少年男子A300メートル障害を36秒13で優勝。全国総体で男子800メートル、1500メートルを制した秋田県・大野聖登（秋田工3年）は、少年男子共通800メートルで1分50秒75をマークして頂点に立った。大雨の悪条件だったが、ともに「インハイ2冠」の意地を見せた。

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山形県・紺野が、障害競技のオールラウンダーとして有終の美を飾った。110メートル、400メートル障害の全国総体王者として国体に臨み、通常はあまり走らない300メートル障害でも強さを発揮。優勝の瞬間は両手でガッツポーズをつくり、2位の福島県・今西亮太（葵3年）らと健闘をたたえ合った。「インハイで2冠したからには国体も、と思っていて、今後の自信につながるいい結果を残せました」と充実の表情で振り返った。

300メートル障害は直線からスタートするため、1、2、3台目の障害で減速しないことを意識したという。コーナーでも加速し、残り120メートル付近でトップに立つと「自分の後半の強さを出して逃げ切るだけでした」。危なげなくレースを締めくくった。

19年の全日本中学選手権（全中）4種競技で日本一に輝くも、高校入学後はもがき、苦しんだ。なかなか結果を残せず、けがもあった。「本当に悔しいばかりの1、2年生だった」。それでも、6月にU20日本選手権の400メートル障害を制すと流れが変わり、全国総体2冠と国体制覇。「最後の最後で勝てて良かったです」。卒業後は大学進学予定。世界で戦えるハードラーを目指す。【山田愛斗】