名城大のスーパールーキーが、第2の故郷に帰ってきた。仙台育英(宮城)出身の米沢奈々香(1年)が、1区6・6キロを21分9秒で走り、区間賞で史上初の6連覇(2時間3分11秒)の原動力になった。昨年の全国高校駅伝でも、エース区間の1区で区間賞を獲得して優勝。早くも高校、大学駅伝の日本一経験者となった。東北勢は東北福祉大が、2時間10分45秒で13位、オープン参加の東北学連選抜は、25番目となる2時間26分59秒でゴールした。

米沢が母校を背にして、笑顔でやってきた。第1中継所はくしくも仙台育英前。同期で2区の石松愛朱加(あすか、1年=須磨学園)が視界に入り、サングラスをおでこの上まで上げ、トップでタスキをつなぐ。2位立命大に19秒先着して区間賞。目標だった区間最高記録20分55秒に14秒及ばずも「名城大の史上初の6連覇に出走メンバーとして貢献でき、うれしく思います」。通学していたのは仙台の宮城野校舎ではなく、多賀城校舎だが、縁のある場所で元気な姿を見せた。

「地元は(静岡県)浜松なので、第2の故郷と言いますか、3年間を過ごした宮城の地で、良い結果を残すことができ、高校でお世話になった方々に恩返しの走りができたと思います」

スタート地点の弘進ゴムアスリートパーク仙台は、高校時代に練習をしてきた場所だ。そこを先頭で飛び出すと、最初の1キロは3分7秒で通過。4キロ過ぎでギアを上げ、後続を突き放す。ちょうどその付近に仙台育英・釜石慶太監督(35)が応援に訪れ、「後ろ離れたぞ」と激励。2区以降を勢いづける走りを貫いた。

昨年の全国高校駅伝は、1区区間賞で優勝に導き、常勝軍団の名城大に進学した。「6連覇がかかるタスキを、自分が最初につなぐのはすごい特別な思いがありました」。小林成美主将(4年=長野東)、山本有真(4年=光ケ丘女)ら尊敬する先輩たちと史上初の快挙を成し遂げた。

「4年生に憧れの強い選手がいて、先輩方のような強い選手になれるように4年間鍛えていきたいです」

杜(もり)の都で鮮烈デビューを飾った米沢が、さらなる高みを目指す。【山田愛斗】

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