名城大が5連覇を達成した。10月の全日本大学女子駅伝に続き、5年連続の2冠に輝いた。

1区から1度も首位を譲らずにタスキリレー。“令和の絶対女王”が師走の静岡で強さを見せつけた。

1年生3人で好スタートを切った。1区の柳楽あずみ(1年=筑紫女学園)が、2位に9秒差(速報値)をつけた。「後半の下りまで持ち込めば、トラックシーズンで磨いたスピードを生かして逃げ切れると思った」との狙い通り、最後に抜け出して区間賞を獲得した。

2区の石松愛朱加(須磨学園)もトップを守ると、3区の米澤奈々香(ともに1年=仙台育英)は、3・3キロを10分3秒で走り、区間新記録を樹立。地元・静岡で好走し、「温かい声援が聞こえて、もっと早く走ろうと思えた」と笑顔を見せた。

“ルーキートリオ”の快走で、2位に43秒差の貯金をつくり、4区以降へ。

増渕祐香(3年)も流れに乗った。「ここまで4年生が引っ張ってくださった」と感謝の思いを込め、区間賞を獲得した。

最長10・5キロの5区を担ったのは、5000メートルの日本人学生最速タイムを持つ山本有真(4年=光ケ丘女子)。単独走でも実力を発揮し、区間賞を受賞した。「楽しい10・5キロを経験させていただいた」と振り返った。

6区の小林成美主将(長野東)へのタスキ渡しでは「今までありがとう。頑張ってね」と声をかけた。温かいエールを受けた小林も首位を独走。“4年生コンビ”で後続を突き放し、最終区へつないだ。

7区はメガネとヘアバンドがトレードマークの谷本七星(2年=舟入)。後半は上り坂が続く中、力強く腕を振り、テープを切った。

ゴール地点で待っていたチームメートとともに、抱き合いながら喜んだ。

レース後に谷本は「上りのところで苦しかったけど、みんなが待っている情景を思い浮かべながら走りました」と疲労を感じさせない笑みを浮かべた。

常勝軍団をけん引した小林主将は「私についてきてくれてありがとうというより、一緒にチームをつくってくれてありがとうという思い。後輩たちの支えが大きくて、感謝の思いでいっぱいです」とかみしめた。

4年間をともにした山本からのタスキリレーも回顧。「うるっときて、こんなんじゃ走れないじゃんと思った」。冗談めかして振り返ると、隣にいた山本もほほえんだ。

重圧に打ち勝ち、チーム一丸でつかんだ5連覇&5年連続2冠の偉業。澄んだ冬空が広がる富士山の麓に、歓喜の笑顔が映えた。