東京マラソンから一夜明けた6日、日本人選手トップの7位でゴールした山下一貴(25=三菱重工)が都内で取材に応じ、今後の方針に言及した。

男子日本歴代3位となる2時間5分51秒をマークし「少しは注目してもらえるようになると思うが、あまり緊張しすぎず、惑わされず(今後も)いつも通りを心がけて自分の力を出したい」と意気込んだ。

今回のレースでは日本人1位に食い込んだものの、残り5キロでは海外勢のスパートに着いていくことができなかった。「日本人1位というのを取り上げてもらうのはうれしいが7位なので」と冷静に受け止め、「ガッツポーズができるような感じではなかった」と振り返った。

1位のD・ゲルミサ(エチオピア)との差は29秒で「全然対応できなかったけど、そこまで離れていなかった」と分析。これまでと同様に「自分のリズムを保てるような意識付け」を大切にし、さらなる飛躍を目指す。

山下は10月15日開催の24年パリオリンピック(五輪)代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権を保持。その1カ月半前の世界選手権(ブダベスト)への挑戦も検討しているが、「本年度は1回しかレースをしていない。何とも言えないが、やっていこうという話になったらやろうかなという程度で。まだ明確ではない」と明言はしなかった。

三菱重工の黒木純監督は2大会へ出場することについて「プランは私のほうでできているつもり」とし、「行けるのではないか」と前向きな姿勢を示した。MGC前の夏季には、起伏のあるニュージーランド・ネルソンでの合宿開催を構想している方針も明かした。【藤塚大輔】