陸上男子100メートルで元日本記録保持者の桐生祥秀(27=日本生命)が、予定していた実戦復帰後初の国内レースを棄権した。

ウオーミングアップ中に左膝の裏側に違和感が出たためで、桐生は「今後1週間に1本試合を入れているので、今後を見据えて棄権します」と大事を取ったと説明。「去年出雲で違和感がありながら走って、そこから日本選手権まで走れないことになってしまった。そういうことが起きないように」と続けた。

桐生は昨年6月の日本選手権後に休養を発表し、10月から活動を再開。今年3月にオーストラリア・ブリスベンで開催された大会で約9カ月ぶりに実戦復帰し、10秒48(向かい風1.0メートル)をマークしていた。

出雲での実戦復帰を「今の力はどれくらいだろう」と待ちわびていた桐生。レース復帰は見送られたが、トーンは明るく、次戦の「スプリングチャレンジ」(22日、東京・国立競技場)に向けて「頑張ります」と笑顔を見せた。

今季の活動については「タイムを目指していきたい。今年の世界陸上というより、パリオリンピックに向けてやる年かなと思ってます」と話していた。