“かめはめ波ポーズ”を繰り出したワケとは-。

16日に閉幕した陸上のアジア選手権(タイ・バンコク)男子200メートルで初優勝した鵜澤飛羽(とわ、筑波大)が17日、羽田空港に帰国。決勝のレース前のパフォーマンスを回想しつつ、世界ランキングでの出場が濃厚な8月の世界選手権(ブダペスト)へ意気込んだ。

16日の決勝で自己新記録となる20秒23(向かい風0・4メートル)で金メダルを獲得。日本学生歴代2位の好記録にも「あれくらいは出るだろうと思っていた。あまり驚きはしないタイム」と涼しい表情で振り返った。

その決勝で話題となったのが、レース直前でのポーズ。鵜澤は選手紹介の時にアニメや漫画のポーズを取るのが恒例で、人気漫画「ドラゴンボール」でなじみ深い必殺技「かめはめ波」を披露した。

ウオーミングアップの段階で頭に浮かんでいた“ポーズ候補”は「ドラゴンボール」「ワンピース」「ナルト」の3つ。「この3つだったら全世界共通で分かる」と国際大会であることにも意識を傾け、「一番やりやすい」とかめはめ波をチョイスした。

現地での反響は「あとで聞いたら、ちょっと盛り上がったと。あんまり聞こえなかったんですけど」と苦笑い。「1つのパフォーマンスとしてやっていて。走りだけじゃなくて、そういうのも表現していきたい」と思いを込めている。ただ、家族からは「やめろ」と忠告を受けており「不評ですね」と渋い表情で打ち明けた。

このルーティンは決勝限定。「予選ではやりたくない」とほほえみ、世界選手権では予選、準決勝を突破しなければ解禁しないつもりだ。

その世界舞台では、もちろん走りで存在感を示していく。6月の日本選手権以降は「後半70メートルで減速しないように」と意識し、粘り強さにも磨きをかけてきた。約1カ月後のブダペスト大会へ、「最低目標として来年のパリの標準(20秒16)を切るつもり。2本は走りたいですね」と好走を誓った。