世界ランキング1位の北口榛花(25=JAL)が最終投てきでの大逆転で、日本女子フィールド種目初の金メダルをつかんだ。

4位で迎えた6投目で66メートル73のビッグスローをみせ、暫定首位だったフルタドの65メートル47を大きく上回った。

中継のTBSで解説を務めたのは、日大時代の恩師である小山裕三さん。室伏広治らを育てた日本投てき界の名伯楽は、これまでの大会でも辛口な独特の言い回しで話題になってきたが、愛弟子の快挙にいつも以上に際立った。

3投目を終わった後には、「カステラ食べてますね」と指摘。7月に行われた世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)シレジア大会で日本新記録の67メートル04をマークした時と同じ補食で、「カステラ食べて日本記録がでたということですね」と細かすぎる情報を披露した。

さらに、投てきが進むにつれ、その口調も興奮していく。最終6投目の前には「北口は6投目に強いんです!」と信じるように見守り、記録が出ると「いやあ、きましたね6投目!! この記録は絶対に破る事出来ませんよ!」と、残りの試技者の結果を待たずに断言。その通りに優勝が決まると、「よくやった、北口!! 私は北口の6投目を最後まで信じてました!」「世界一ですよ、世界一!」「よく努力してきましたね。一生懸命やった努力は実りますね」と祝福した。

銅メダルを獲得した昨年大会では、その姿に放送席で涙を浮かべた恩師。この日もきっと、その目には熱いものが込み上げたに違いない。