昨年の全国高校駅伝(都大路)準優勝メンバーの仙台育英・細川あおい(2年)が、女子3000メートルで独走優勝を飾った。目標タイムに約10秒及ばずも、9分38秒04でフィニッシュ。2位に約30秒差をつける1人旅で、エース格の実力を示し、来月末に開催される同駅伝宮城県予選に向けて弾みをつけた。

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仙台育英・細川が圧勝した。スタート直後に先頭に立つと、周回を重ねるごとに後続との差を広げていく。通過タイムは1000メートルが3分11秒、2000メートルが6分27秒で、フィニッシュは9分38秒04。中盤は少しペースダウンしたものの、2位に約30秒差をつけた。「自分が目標としていたタイムよりも10秒弱くらい遅かったので、これから状態を上げていきたいです」と足元を見つめた。

今夏の全国高校総体にも出場した。この日と同じ3000メートルで16位(日本人12位)。タイムは自己ベストと同等の9分22秒72をマークも「日本人8位以内を目指していたので、悔しい気持ちの方が強いです」と満足感はなかった。1年時から主力を張るが「下の学年は強い子たちが多いので、刺激をもらいながら日々やっています」。後輩たちに負けられないという思いが頑張る原動力だ。

細川は昨年の全国高校駅伝で準優勝を経験した。来月末に宮城県予選が開催される。前回の予選は2区を走り、今年はエース区間で最長6キロの1区を希望する。「自分は去年の都大路で、(アンカーの)5区で抜かされた悔しさを持って、エースとして強くなるのが目標です」と力を込めた。

今夏の甲子園で連覇を目指した硬式野球部は惜しくも準優勝。陸上競技部(長距離)のメンバーも聖地で躍動する姿に刺激を受けたという。全国高校駅伝は歴代最多の5度優勝も、連覇は93、94年が最後。「今年はしっかり優勝し、自分が3年生になったときにも優勝して、野球部よりも先に連覇したいです」。駅伝でも全国に仙台育英の名をとどろかせる。【山田愛斗】

○…男子800メートルで東北学院・嶺岸優羽(ゆう、2年)が、12年ぶりの大会新記録となる1分53秒57で優勝した。従来記録を0秒36更新し、自己ベストもマーク。100メートル過ぎでトップに立つと、400メートルを56秒で通過。独走態勢に持ち込んだ。「なかなか自己ベスト(1分54秒33)を更新できなかったが、大幅に更新できてうれしい」。予選、準決勝もトップ通過と完全V。今月末の東北高校新人陸上に向けて「優勝と自己ベストを狙いたい」と意気込んだ。