東北学院・亀谷里緒菜(2年)が女子800メートルを2分18秒98で優勝し、前日9日に男子の同種目を制した嶺岸優羽(2年)とのアベックVを成し遂げた。2人は大会最終種目となった男女の1600メートルリレーにも出場し、それぞれ頂点に立った。

 

女子800メートルで女王に輝いた東北学院・亀谷が呼吸を整えて叫んだ。「嶺岸、やったー!」。前日に男子800メートルを制し、スタンドから見守った嶺岸に優勝を報告。一緒にジョグをしたり、タイムを測り合う仲で、5月の宮城県高校総体直後には「(新人戦は)男女の800メートルを学院で取ろう」と2人でアベックVを目標に掲げた。見事に有言実行を果たし、1600メートルリレーでもそれぞれ優勝メンバーとなった。

トップの座を死守した。亀谷は150メートル付近で先頭に出てレースをけん引。600メートル付近で後続に並走されかけたが、最後の力を振り絞った。「(後ろから追われて)もちろん怖かったんですけど、どうしても勝ちたかった。あまり覚えてないんですけど、がむしゃらに走れたと思います」。最初の400メートルを予定よりも5秒ほど速く入り、「やばい」と焦りもあったが、大きく失速せずに粘った。

中学まではサッカー少女だった。体力自慢でポジションはサイドバック。競技を続けられる高校を受験も、不合格で女子サッカー部のない東北学院に進学したという。「部活は何かやりたいなと思っていて、走ることは得意だったので、陸上部に入ってみようかなと軽い気持ちで始めました」。この日は陸上競技転向後、記念すべき初優勝となった。

今月末に福島で開催される東北高校新人陸上にも出場予定だ。「県総体は準決勝で終わってしまったので、自己ベストを出して、東北新人の決勝でも戦えるようになって、来年の県総体につなげたいと思います」と再びの快走を誓った。【山田愛斗】

 

男子200メートルで古川学園・内海大(1年)が自己ベストの22秒17(向かい風0・6メートル)で優勝を飾った。2位と100分の1秒差の大接戦。レースでは力んでしまうことが多かったが、この日は冷静に自分の走りを貫いた。「今までの努力が報われたような気がしました」。東北高校新人陸上では「21秒台を出せるように残りの期間、しっかり練習を頑張っていきたいです」と力を込めた。