日本記録保持者の鈴木健吾(28=富士通)が11・8キロ地点で途中棄権となった。

7キロ手前で遅れ始めると第2集団から10秒ほど離された。ペースも落ち始め、8・8キロでは先頭の川内優輝から38秒差をつけられた。歯を食いしばり、険しい表情でのレースが続いていた。

鈴木は19年のMGCは7位。自国での東京オリンピック(五輪)出場を逃した。その後も体調不良や股関節痛が続き、この大会が1年7カ月ぶりのマラソン出場だった。

今月13日の会見では「生活、練習、すべてにおいてMGCのためにやってきた。当日は、強い思いを持ってしっかり走っていきたい」と話していたが、無念のリタイアとなった。

今大会では24年パリオリンピック(五輪)マラソン代表の男女上位2人を決定。代表枠は男女各3枠で、残る1枠は12月以降のMGCファイナルチャレンジを経て選出する。鈴木がパリ五輪の出場切符をつかむには、福岡国際マラソン(23年12月3日)、大阪マラソン(24年2月25日)、東京マラソン(24年3月3日)のいずれかで2時間5分50秒を上回るタイムを残す必要がある。

なお、当該大会において設定記録を上回る選手がいない場合は、MGCの3位選手が代表に選出される。