第100回箱根駅伝(来年1月2、3日)を前に16日、昨年6位の早大が取材会を行った。1区候補の山口智規、間瀬田純平(ともに2年)は、同区で区間新を狙う駒大・佐藤圭汰に対抗心をメラメラ。シード落ちを喫した全日本大学駅伝からの巻き返し、そしてV候補の独走阻止へスタートダッシュを誓った。

その一報はおのおのの心を高ぶらせていた。15日の駒大の取材会で、佐藤が1区を希望。区間新記録樹立を掲げた。一夜が明け、山口は「これだけは言おうと思ってました」と語気を強め、「1区を走るなら、僕は13分59秒でいきます」と宣言した。

記録もあるが、示したのは姿勢だ。佐藤が「5キロ14分ペースで区間新」と言及したことを受けての弁。1秒速くし、「先頭をいきます」という意志を乗せた。同学年で、5000メートルの高校記録を作った佐藤に対し、山口は歴代3位を刻んだ。11月の全日本では2区の先頭争いで敗れたが、悲観はない。その後の上尾ハーフでは大迫傑の持つ早稲田記録を更新。昨年は直前の体調不良で断念した箱根デビューへ、好気配が漂う。

1区の候補はもう1人。昨年は区間14位の間瀬田は「マジか」と佐藤の立候補を受け止めながら、「簡単にはいかせない」とにらむ。全日本では1区で快走し、駒大の赤津と1秒差の2位。今季の駅伝の区間順位で1位を並べ続ける駒大を、最も追い詰めた男だ。「集団走は得意。最後のスパートは自信があります」。佐藤は20キロ以上が未経験だけに「こっちは去年の経験がある」と展開を読んだ。

チームは五輪選手だった花田監督が就任2季目。右肩上がりで名門復活を目指した秋は、出雲は6位、全日本は10位と苦しむ。「打倒駒沢」を声高に言える状況にはないが、流れを作るには1区の走りが重要。選手が目標に置く5位以内のためにも、世代トップの雄に挑む。【阿部健吾】

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