箱根駅伝に臨む城西大が18日、リモート取材会を行い、前回5区で1時間10分4秒の区間新記録を樹立して“山の妖精”の異名を取った山本唯翔(4年)が“山の神”超えを宣言した。

5区には前回区間4位の駒大の山川拓馬(2年)、出雲駅伝で区間賞デビューした青学大の黒田朝日(2年)、東海大1年時に5区2位となった創価大の吉田響(3年)ら、有力選手が候補として名前を連ねる激戦区。

それでも櫛部静二監督に再び5区に指名された山本は「他大学の選手を意識するというより、戦うのは自分の記録だと思っている。区間賞争いは厳しくなるが、過去の自分に勝てば記録も出ると思っている」と自信をのぞかせた。

目下の最大のライバルは“初代山の神”と呼ばれた順大の今井正人が、距離が20・9キロだった05年に11人抜きで達成した1時間9分12秒という大記録。06年に距離は2・5キロ延長されたが、ほぼ同じ距離に戻った17年以降も更新されていない。最終学年で臨む山登りに山本は「今年は最後、しっかり超えたいと思っている」と明言した。

手応えは感じている。実は区間新記録をマークした前回は、途中でけいれんを起こしかけた。「準備不足を感じた。それがなければ9分台は出せたと思っている」。その経験を今季の練習に生かして、苦手なラストの切り替え、スパートに磨きをかけた。

5区区間新記録という入学以来の目標を達成した後は、あこがれの区間でもある“花の2区”を走りたいと思ったこともあったが、10月に櫛部監督と話して、再び5区挑戦を決意した。「僕が活躍できれば、チームにもいい影響を与えられる」。新しい山の神が誕生すれば、チーム目標の3位はもちろん、往路ではそれ以上の結果を残せる可能性もある。【首藤正徳】

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