来年1月の箱根駅伝で2季連続3冠を狙う駒澤大(駒大)は、16人のチームエントリーから外れた4年生2人が自己ベスト(PB)をマークした。篠川史隆は13分59秒50で4位、藤山龍誠は14分15秒44で16位となった。

駒大勢が13人出走した同レース。4年生から出場したのは2人だけだったが、ともに序盤から攻めた。篠川が冒頭から先頭へつけると、藤山も前へ出た。後輩の安原海晴(1年)らとレースを引っ張った。

藤山は中盤以降に引き離されたが、篠川は先頭付近で粘りの走りを披露。11月にマークした自己記録(14分01秒05)を1秒55更新し、初めて13分台にのせた。「たかが1、2秒ですけど、自分の中ではされど1、2秒。チームの雰囲気を上げるためにも、大きな1、2秒になるので、11月から強く思いながらやってきました」と胸を張った。

駒大は4年生から7人がエントリー入りした中、2人はメンバーから外れた。

篠川は同期の活躍に「うらやましい」と感じたこともあった。ただ、「駒大に来たからには選手の立場を貫きたい。最後まで走って、少しでも役に立ちたい」とレースに出続けている。

「辞めたいという思いに打ち勝って、今この場に立っています」

その執念がこの日の結果に表れた。チームメートに見守られながら力走し、フィニッシュ後は「よくやった」「祝福は寮でするぞ」とねぎらわれた。「諦めずにここまで来て、チームのことを思って走れたことがすごく良かったです」と目を細めた。

藤山は支えとなった同期として、金子伊吹の名をあげた。2年時の箱根路で5区4位と好走してからは3大駅伝に出走できていないが、懸命に練習に打ち込んでいた。その姿をずっと隣で見てきた。

「特別に励まし合う言葉をかけるわけではないですが、一緒にジョグや練習をしていると、いつもキツイことを当たり前にこなしていました」

藤山は疲労骨折などで思うように走れない時期が長かったが、「自分も頑張らないと」と前を向くことができた。諦めずにレースへ出場し、この日の自己ベストにもつながった。「チームとして日本一を掲げているので、まだまだ物足りないです」と反省が先に立ったが、レースから1時間が過ぎた頃には、競技場の外で笑みを浮かべる場面もあった。

2人は本番でサポート役を務めることとなる。藤山は言う。

「本番はどんな役回りになっても、とにかくチームのためにということを徹底したいと思っています」

チームを代表してタスキをつなぐ者も、出走がかなわなかった者も、おのおのが自分なりの思いを胸に秘め、新春の舞台に臨む。箱根駅伝まであと10日-。【藤塚大輔】

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