今夏の女子マラソン世界選手権代表選考を兼ねた大阪国際女子マラソンが29日、ヤンマーフィールド長居で行われ、エチオピアのヘヴン・ハイル・デッセが2時間21分31秒で優勝を果たした。安藤友香(28=ワコール)が日本人トップとなる2時間22分58秒で3位に食い込んだ。上杉真穂(27=スターツ)が4位、佐藤早也伽(28=積水化学)は8キロ付近で転倒するアクシデントに見舞われ、無念の途中棄権となった。

また、𠮷川侑美(32=ユニクロ)、前田彩里(31=ダイハツ)、池田千晴(29=日立)、大東優奈(25=天満屋)の4選手が新たにMGC出場権を獲得した。

今大会は12年ぶりにコースが変更。折り返しポイントがなくなり、高低差18mのアップダウンがアクセントとして取り入れられるなど、大会のレベルアップが図られた。

第42回大阪国際女子マラソン 優勝したヘヴン・ハイル・デッセは両手をあげてゴールする(撮影・上田博志)
第42回大阪国際女子マラソン 優勝したヘヴン・ハイル・デッセは両手をあげてゴールする(撮影・上田博志)
第42回大阪国際女子マラソン 日本人最高の3位でゴールする安藤(撮影・上田博志)
第42回大阪国際女子マラソン 日本人最高の3位でゴールする安藤(撮影・上田博志)
第42回大阪国際女子マラソン 2位でゴールするメセレット・ゴラ・シセイ(撮影・上田博志)
第42回大阪国際女子マラソン 2位でゴールするメセレット・ゴラ・シセイ(撮影・上田博志)

◆大阪国際女子マラソン順位(タイムは速報値)

(1)ヘヴン・ハイル・デッセ 2時間21分13秒

(2)メセレット・ゴラ・シセイ 2時間22分12秒

(3)安藤友香 2時間22分58秒

(4)上杉真穂 2時間25分18秒

(5)𠮷川侑美 2時間25分20秒

(6)前田彩里 2時間25分24秒

(7)池田千晴 2時間25分59秒

(8)大東優奈 2時間26分09秒

(9)竹山楓菜 2時間29分20秒

(10)棚池穂乃香 2時間29分45秒


◆レース経過  ※タイムは速報値

◆フィニッシュ エチオピアのデッセが2時間21分31秒で1位。2位にシセイ。安藤友香が日本人トップとなる2時間22分58秒でゴール。  

◆41キロ   ヤンマーフィールド長居。トップで戻ってきたのはデッセ。

◆40キロ   ゴールを目指し、あびこ筋。安藤友香が気迫の走り。乱れのない走りで前方の2人を追う。

◆37キロ   沿道からは安藤友香への声援が続く。トップとの差は200m、残り5キロと正念場。

◆35キロ   レースは終盤へ。トップのデッセは口が開き苦しげな表情、後方の安藤友香とは約120m差に開く。第2集団は初マラソンの32歳𠮷川侑美が先頭に出る。

◆32キロ   レースは下り坂。デッセがシセイを突き放し、トップに立つ。普段は同じチームに属し、しのぎを削るチームメート同士の2人。第2集団は前田彩里、上杉真穂らが引っ張る形に。

◆30キロ 2週目の大阪城を終え、再び大阪市街へ。ここでペースメーカーが外れる。デッセらエチオピア勢2人がスパートをかけ、安藤友香を引き離しにかかる。3番手に安藤、その差約15m。粘りどころに。

◆25キロ   “忍者”安藤友香がさすがの走り。集団は1時間22分41秒で通過。昨年の大会Vタイムを上回るペース。

◆23キロ   大阪のメインストリート、御堂筋へ。安藤友香はペースを維持、先頭をひた走る。

◆中間地点  先頭集団は安藤友香、デッセ、シセイの3人に。1時間9分45秒で通過。日本記録に迫るタイム。チェプケモイは10秒差と遅れを見せる。

◆20キロ付近 集団は大阪城を出て、玉造筋を南へ。上杉真穂は、先頭集団に17秒差と後れを取る。

◆18キロ付近 佐藤早也伽がレースをリタイア。野口監督に肩を抱きかかえられ、コースを外れる。

◆18キロ   先頭集団は大阪城下へ。集団後方の上杉真穂が苦しげな表情。

◆16キロ付近 先頭が1キロ3分17秒通過。依然としてハイペースな展開が続く。

◆14キロ付近 先頭が1キロ3分21秒の速いペースでレースは展開。後れを取った佐藤早也伽、詰めていた先頭との差が再び開き33秒差に。安藤友香はペースメーカーの背後にぴったりつき、先頭をキープ。

◆13キロ付近 レースは玉造筋へ。佐藤早也伽が先頭との差を70mに詰め、ペースを立て直す。安藤友香、上杉真穂は先頭集団の中央から後方に位置づける。

◆8キロ付近 佐藤早也伽が他ランナーと足が交錯し、転倒するアクシデント。膝の辺りからは血が流れ、苦悶の表情を浮かべる。立ち上がり走り出すも、先頭集団から100メートルほど遅れる。

◆6キロ   先頭集団は5キロから6キロを3分15秒の好ペースで通過。

◆5キロ   16分39秒で通過、ランナーは大阪の街を北上。最初の給水ポイント。安藤友香はタイミングがずれて給水に失敗。

◆3キロ   依然として先頭集団は7人。ペースメーカーにぴったり付ける。

◆スタート  午後0時15分に号砲。晴れ、気温7・5度、湿度52%、西向きの風2・4m。ヤンマーフィールド長居を3周回ってから昭和町方面の一般道へ。先頭集団は7人、安藤友香、上杉真穂、佐藤早也伽、チェプケモイら。


第42回大阪国際女子マラソン 日本人最高の3位でゴールする安藤(撮影・上田博志)
第42回大阪国際女子マラソン 日本人最高の3位でゴールする安藤(撮影・上田博志)
第42回大阪国際女子マラソン 日本人最高の3位でゴールする安藤(撮影・上田博志)
第42回大阪国際女子マラソン 日本人最高の3位でゴールする安藤(撮影・上田博志)
第42回大阪国際女子マラソン 2時間21分13秒で優勝したヘヴン・ハイル・デッセ(撮影・上田博志)
第42回大阪国際女子マラソン 2時間21分13秒で優勝したヘヴン・ハイル・デッセ(撮影・上田博志)
7キロ過ぎ、転倒した佐藤早也伽(左)と岩出玲亜(代表撮影)
7キロ過ぎ、転倒した佐藤早也伽(左)と岩出玲亜(代表撮影)
19キロ手前で積水化学の野口監督(左)に止められ、リタイアする佐藤早也伽(代表撮影)
19キロ手前で積水化学の野口監督(左)に止められ、リタイアする佐藤早也伽(代表撮影)
第42回大阪国際女子マラソン 佐藤(左)はトップ集団でスタートする(撮影・上田博志)
第42回大阪国際女子マラソン 佐藤(左)はトップ集団でスタートする(撮影・上田博志)
第42回大阪国際女子マラソン ヤンマーフィールド長居をスタートする選手たち(撮影・上田博志)
第42回大阪国際女子マラソン ヤンマーフィールド長居をスタートする選手たち(撮影・上田博志)
第42回大阪国際女子マラソン ヤンマーフィールド長居をスタートする選手たち(撮影・上田博志)
第42回大阪国際女子マラソン ヤンマーフィールド長居をスタートする選手たち(撮影・上田博志)
第42回大阪国際女子マラソン ヤンマーフィールド長居をスタートする選手たち(撮影・上田博志)
第42回大阪国際女子マラソン ヤンマーフィールド長居をスタートする選手たち(撮影・上田博志)
第42回大阪国際女子マラソン ヤンマーフィールド長居をスタートする選手たち(撮影・上田博志)
第42回大阪国際女子マラソン ヤンマーフィールド長居をスタートする選手たち(撮影・上田博志)

◆女子マラソン日本歴代5傑◆


選手名タイムコース
1野口みずき2時間19分12秒05年ベルリン
2新谷仁美2時間19分24秒23年ヒューストン
3渋井陽子2時間19分41秒04年ベルリン
4高橋尚子2時間19分46秒01年ベルリン
5一山麻緒2時間20分29秒20年名古屋ウィメンズ


◆招待選手◆


選手名タイムコース
マウリーン・チェプケモイ2時間20分18秒21年アムステルダム
ヘヴン・ハイル・デッセ2時間20分19秒21年アムステルダム
メセレット・ゴラ・シセイ2時間20分50秒22年セビリア
安藤 友香2時間21分36秒年名古屋ウィメンズ
佐藤 早也伽2時間22分13秒22年ベルリン
上杉 真穂2時間22分29秒22年大阪国際
山口 遥2時間26分35秒20年大阪国際
池田 千晴2時間26分50秒22年名古屋ウィメンズ
アリス・ライト2時間29分08秒22年ヒューストン
筒井 咲帆1時間09分14秒20年全日本実業団*
𠮷川 侑美1時間10分07秒21年山陽女子*

*はハーフマラソン



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