21年東京オリンピック(五輪)6位入賞の大迫傑(32=ナイキ)が、今夏のパリ五輪男子マラソン代表に内定した。

22年世界選手権代表の西山雄介(トヨタ自動車)が日本人トップの2時間6分31秒で9位と健闘したが、設定記録(2時間5分50秒)に41秒届かず。昨年10月のMGC3位だった大迫が男子3枠目に入り、マラソンでは2大会連続の代表となった。現時点で出場を明言していないが、ブレずに世界と戦っていく。

 ◇   ◇   ◇

大迫は五輪を絶対視していない。フラットな眼で見つめている。

昨年12月には、世間との“ギャップ”を口にした。

「何としても五輪に出たいと思われているかもしれないが、そこには世間と熱量の差がある。走り始めたらモチベーションはあるが、そこ(五輪)じゃなくてもいい。あらゆるレースでベストを尽くし、世界と近づくだけ」

年明けには東京マラソンを見送り、4月のボストンマラソン(米国)に出場すると発表。五輪の出場権獲得よりも、海外勢と争う場を求めた。

東京五輪後に1度は現役を退いたが、22年2月に復帰。「より自分のために走るようになった。圧倒的に自分軸」と自任する一方で、新たな思いも芽生えた。

「競技への向き合い方、走っていくことのあり方は1つじゃない。そのオプションではないが、僕自身が体現していくことで、後輩たちへ伝えていけたら」

実業団のGMOインターネットグループに参画し、若手選手たちと切磋琢磨(せっさたくま)する時間をとった。昨年から2年連続で元日の全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)にも出走した。同チームの亀鷹律良監督は「プロ意識を持たないとチームが1つにならないという話を常々してくれている。それが選手のモチベーションになっている」と感謝する。

夢を追いつつ、後進にも目を向ける。パリ五輪の出場意思は明確にしていないが、軸はブレない。

「もっと純粋に陸上競技を極めたい。プレッシャーが他人軸にあるのではなく、自分に軸がある感じ。チャレンジを楽しめている感覚がある」

戦う場所は自分で決めていく。【藤塚大輔】

【東京マラソンライブ速報】はこちら>>