<岐阜国体:陸上>◇9日目◇7日◇岐阜長良川競技場

 少年A男子5000メートルはヒラム・ガディア(仙台育英高2年)が13分59秒70で優勝。日本人のトップ集団から抜け出した西山雄介(伊賀白鳳高3年)が、終盤でガディアとの差を詰め14分03秒12で2位に入った。

 個人種目で日本人1位となった西山の次の目標は、12月の全国高校駅伝で3位以内に入り「亡くなった町野先生にメダルを届けること」だ。

 伊賀白鳳高の監督を務めていた町野英二氏は、同高を駅伝の強豪校に育て上げた指導者(全国高校駅伝に23回出場)。マラソンで2時間9分58秒の記録を持つ野田道胤(当時Honda)、昨年のニューイヤー駅伝優勝メンバーの高林祐介(25=トヨタ自動車)らが同高から巣立った。指導手腕を買われて定年退職後も監督を務めていたが、今年6月に肝臓がんのため62歳で他界した。「町野先生の全国高校駅伝最高順位が4位。お通夜に出たときに、“3位以内に入ります”と誓いました」

 駅伝は個々の選手のタイム合計では決まらない、チームスポーツ特有の力が働く。「今日はスタンドにチームメイトも応援に来てくれたのですが、自分の走りでチームに勢いをつけられたと思います」

 チームメイトにはインターハイ1500メートルで8位入賞した畔柳隼弥(3年)もいる。西脇工高、豊川工高らの前評判が高い今年の高校駅伝だが、伊賀白鳳高も目が離せない存在になりそうだ。