日本オリンピック委員会(JOC)から10月27日に「Team Japan」ブランドの発表があった。この日は北京冬季オリンピック100日前。ロゴ、エンブレムも一新した。タグラインは「RISING TOGHETHER」。昇る朝日の意味も含み、上昇する、立ち上がるという意味もある。

このプロジェクトには私も1年強、関わらせて頂いた。一体感を持ち、チームジャパンはアスリートを中心に、さまざまなステークホルダーと共に歩んでいく。そんな意味が込められている。

私自身の作業としては、現役時代の日本代表だった時の気持ちや、なった時の気持ちを思い出したり、観戦するときの気持ち、自分たちのカラー(スタイル)ってなんだろう、どうなっていきたいのだろう、と自分の心の奥底までひもといて行った。

1つのブランドを考えることは、短編的ではなく、長編的で、包括的で、繊細なことだと個人的には感じる。一体感やチーム、チームワーク、社会的にもサッカー界も男子U24、なでしこジャパン、ブラインドサッカーの代表が同一ユニホームを着用して出場したり、スポーツ界もさまざまな場所から統一、連帯、横断的に取り組んでいる。このような動きをより促進しているのは言うまでもなく、アスリートの姿なのだろうと思う。また今回の東京2020大会でよりそれは促進されたとも思う。

その東京2020大会でも、さまざまな困難の中、アスリートの戦う姿に自分の人生を照らし合わせたり、勇気をもらい、また頑張ろうと思えたりした。「この選手を応援したい!頑張れ!」。リアルではなく、テレビでの観戦だったが、多くのひとが、その瞬間はこんな気持ちになったのではないだろうか。

コロナという危機が起こる前、ソフトなレガシーにフォーカスされていたことを覚えているだろうか。もちろん、ハードもそうだが。

今回はさまざまな状況の中ではあったが、持続可能性(大会のベニューは6つが1964年大会の歴史的な会場を使用、メダルは100%リサイクル、表彰台は海洋プラスチックの再利用など)や、ダイバーシティアンドインクルージョン(男女割合オリンピック約49%、パラリンピック約42%、東京アクション。男女共同旗手、女性アスリート外来設置)、復興などさまざまな側面で施策があった。

また、コロナウイルスに対するプレイブックを3回の改訂を経て、策定した。さまざまな困難があった中、本当にハードワークで東京大会は行われた。スポーツという範囲は幅広い。ロンドンオリンピック・パラリンピックは、手本となるオリンピック・パラリンピックだったといまだ言われているが、スポーツという幅広い概念を世の中に広めた大会であると言っていいだろう。アクションアンドレガシーの中には、スポーツ実施率を上げることも記載されていたからでもあるだろう。

オリンピック憲章の中にも「オリンピックソリダリティ」という項目があるが、このコロナウイルスによるパンデミックでオリンピックソリダリティ(IOCが公認したNOCへの援助 -特に最大の援助を必要とするNOCへの援助- を組織することにある。この援助は、必要に応じてIFの技術的な支援のもと、IOCとNOCが共同で作成するプログラムの形を取る)の推進に力を入れていくと、延期が言われた際には各国NOCに周知されている。ソリダリティとは「連帯感」と日本語で言うことができるだろう。

今後、社会としては少子化になり、よりデジタル社会になっていく。今日本のスポーツは過渡期であると言えるだろう。子供たちを取り巻くスポーツの環境はより変化していく。部活動や、習い事、エリートスポーツのあり方、この一体感や連帯感が必須になっていきそうだ。

(伊藤華英=北京、ロンドン五輪競泳代表)