二子山親方(元大関・貴ノ花)
角界のプリンスと呼ばれ、数々の名勝負を繰り広げた大関・貴ノ花利彰。引退後は父として師匠として若乃花、貴乃花を史上初の兄弟横綱に育て上げた。2005年5月30日、55歳で亡くなった。その死を伝える日刊スポーツの記事の中に、空前の若貴フィーバーを連日取材している記者に向かって親方が返してくれた言葉(名言)が載っている。「(相撲担当記者として)もうすっかり慣れて、毎日が楽しいでしょう」とたずねられた。デスクからプレッシャーをかけられ、翌朝は他紙にニュースを抜かれていないかコンビニに走る生活の繰り返しで、楽しいどころではないと伝えた。親方の言葉は、戦い抜いた相撲魂から発せられる戒めの言葉でもあると思っている。あの時の柔和な目は忘れられない。(/_;)
<大相撲・2005年5月31日掲載>