1927年(昭2)から続く第89回早慶対抗水上競技大会で世界ジュニア記録が飛び出した。

 2日、東京辰巳国際水泳場。競泳男子200メートルバタフライの幌村尚(18=早大)が、1分54秒98をマーク。リオ五輪6位相当の好タイムだった。幌村は、早大入学わずか3カ月で自己記録を高校時代から1秒も更新。「坂井(聖人)選手の横で練習していることがプラスになっていると思います」。3年先輩のリオ五輪銀メダリストの存在を挙げた。

 兵庫・西脇工2年だった15年世界ジュニア選手権で優勝している。「練習から世界レベルでやれるように」と、坂井がいる早大の門をたたいた。練習では坂井に食らいついて、選手寮も尊敬する先輩と同部屋になった。今シーズンの目標に、世界選手権ハンガリー大会出場を掲げていた。

 代表選考を兼ねた4月の日本選手権。自己ベストを出して、先輩に食らいついた。ただ同種目の日本代表は坂井と早大OBの瀬戸大也(23=ANA)。勝利=世界大会の表彰台、という2人だ。結果は坂井、瀬戸に続く3位。さすがにいきなり2人に勝つことはできなかったが、8月のユニバーシアード台北大会の日本代表に選ばれている。

 幌村は、100メートルバタフライでも瀬戸大也の大会記録を0秒01更新する52秒44で優勝した。「普段、練習していることが身についていると思う。8月のユニバまでしっかり頑張って、メダル争いをして自己ベストを狙っていきたい」と手応えを口にしている。

 水泳世界選手権ハンガリー大会は14日からシンクロナイズドスイミングなどが始まり、23日には競泳がスタートする。東京五輪に向けて最初の世界大会に注目が集まるが、日本代表以外にも3年後への準備を進めている選手がいる。【益田一弘】

 ◆益田一弘(ますだ・かずひろ)広島市出身、00年入社の41歳。大学時代はボクシング部。昨年11月から水泳担当になり、世界選手権ハンガリー大会を取材予定。昨年リオ五輪は陸上担当で男子400メートルリレー銀メダルなどを取材。