2020年東京五輪の新種目になった自転車BMXフリースタイル・パークのホープ、中村輪夢(りむ、15)が12日、練習を公開した。東京・足立区の「ムラサキパーク」で、得意の高さのあるトリックを次々と披露。「もっと練習して、東京五輪では金メダルを下げたい」と、大きな目標を口にした。

 元BMXライダーで京都市内でBMXショップを経営する父辰司さん(42)に連れられて競技を始めたのは3歳の時。自転車に乗るには、まず補助輪付きで練習するのが普通だが「すぐに乗れた」と中村。練習場を求めて父の車で深夜に移動。日が明けるのを待って練習を始め、日没まで続けることもある。「乗っているのが楽しい。トリックを決めた時は気持ちいい」と笑顔で話した。

 目指すのは「東京五輪のヒーロー」。まだまだマイナーな競技だが「もっと注目されたら、うれしい」と話す。辰司さんは「五輪のヒーローがいて、その競技が人気になる。BMXが認められるには、ヒーローが出るのが1番。輪夢にヒーローになってほしい」と話す。

 ジュニア世代では国内外のタイトルを獲得したが、エリートの大会は今年が初挑戦。「まだまだ足りない部分は多い」と自己分析している。それでも、高さを生かしたトリックの安定感は抜群。全日本フリースタイルBMX連盟の出口理事長は「このまま伸びていけば、世界のトップに立てる選手」と期待していた。