箱根駅伝(来年1月2、3日)の区間エントリーが29日、関東学連から発表された。優勝候補筆頭の駒大は、大黒柱の深津卓也(3年)ら主力4人が補欠登録。当日に入れ替わりが可能だけに、手の内を隠す形になった。16年ぶりの総合優勝を目指す早大は、ほぼ入れ替え不要とみられる真っ向勝負のオーダーを組んだ。本番まで、あと3日。腹の探り合いが、始まっている。

 優勝候補の「2強」が、対照的な区間配置をした。2年連続7度目の優勝を狙う駒大は、情報戦を仕掛けた。前回のVメンバーのうち、卒業した4年生を除けば、残りは5人。そのうち主将の池田、エース級の深津、アンカーだった太田の3人が補欠に回った。5000メートル13分台の我妻を加えた主力4人だけでなく、藤山、井上を含む補欠は6人とも、メンバー入りしてもおかしくない。

 往路、復路ともスタート1時間前までに、合計4人まで入れ替えが可能。大八木監督は「(指導者として)一番きついのは、先を読まないといけないところ。そこが大事。往路、復路の先まで読んで、結果を出さないと選手はついてこない」と話している。過去6度の優勝のうち、4度は復路で逆転した。今回も、采配の妙が結果を左右しかねないエントリーだ。

 一方の早大は「細工」がほとんどなかった。復調しながら左アキレスけん上部が万全でないエース竹沢は前回と同じく、足の負担が軽い3区に登場。アクシデントさえなければ、1~6区は、入れ替える可能性は極めて低い。16年ぶりの総合Vをもくろむ渡辺監督は「前回は、初日に主力を全部使った。今回はとっておかないと復路で勝負できない」と話すとおり、9区高原、10区三戸と計算できる選手が最後に控えている。

 作戦だけでなく、直前の体調不良などで、選手が入れ替わるのは、箱根駅伝の常。互いの指揮官は、他校の出方を見て、どう動くのか。決戦ムードがいよいよ、高まってきた。【佐々木一郎】